中国:新報告書、新疆ウイグル自治区における人権侵害への関与が疑われる各企業から大手自動車メーカーのサプライチェーンを追跡;企業コメント含む
シェフィールド・ハラム大学と米国NPOノモガイアが発表した報告書『Driving Force - Automotive Supply Chains and Forced Labor in the Uyghur Region(仮題:ウイグル自治区の自動車サプライチェーンと強制労働のつながり)』は、大手自動車メーカーのサプライチェーンを追跡し、ウイグル自治区で疑われる搾取に自動車業界が依存している実態を伝えている。報告書には、労働移動の記録、各企業の概要、ウイグル自治区における関連産業の事業展開の説明が掲載されている。
報告書は、自動車業界の巨大なサプライチェーンが広範囲にわたり強制労働に染まっていると断定した上で、サプライチェーン全体の追跡の実施など自動車メーカーにいくつかの提言を行っている。また各国政府に対しては、一次サプライヤー以降の人権リスクについても企業に対応を義務付ける人権デューディリジェンス義務化法の制定を要請している。同報告書には、インタラクティブ型オンラインサプライチェーンマップが付属されている。
報告書の著者らは、報告書内で名前の挙がったすべての企業に対し、報告内容にコメントを寄せる機会を提供した。ボッシュ、アストンマーチン、メルセデス・ベンツ、ORA、リオティント、日産、ピレリ、ゼネラルモーターズ、ボルボ、ホンダ、コーラー、BMW、トラフィグラからコメントが寄せられた。企業からのコメントは、報告書の付録Bに掲載されている。
ビジネスと人権リソースセンターは、新疆ウイグル自治区で調達を行っている、あるいは、ウイグル自治区外でウイグル族の労働移動を受け入れている企業と複数のつながりとされ、これまでにコメントを発表していない自動車ブランドの親会社にも接触した。三菱自動車、ステランティス(オペル、プジョー、フィアット、ジープ、クライスラー)、フォルクスワーゲン(フォルクスワーゲン、ベントレー、シート、アウディ、一汽大衆)、NIOから寄せられた回答は以下に掲載した。北京汽車(北京ベンツ)、中国第一汽車集団 (中国第一汽車集団、一汽大衆)、 東風汽車 、フォード、広州汽車集団、ヒュンダイ(ヒュンダイ、KIA)、いすゞ、 ルーシッド・モーターズ 、マツダ、三菱グループ、ポルシェ、ルノー、 上海汽車 ( 上海汽車、 上汽通用汽車 )、スズキ、 タタ・モーターズ(ジャガー・ランドローバー)、テスラ、トヨタからは回答がない、または回答を辞退した。