［日本語翻訳記事提供: 経済人コー円卓会議日本委員会］

「武漢のコロナウイルスと戦うために舞台裏で奮闘する労働者」2020年2月4日

チェンは旧正月休暇のために陝西省の故郷に戻ることを計画していましたが、1月23日に　　武漢が封鎖されたため、他の何百万人と同様に街に閉じ込められました。当初、チェンは何をすべきか分かりませんでしたが、すぐに食品配達会社Meituanと協力し、効率的で衛生的な配達システムを編成し、医療従事者に必要な食事を提供できるようにしました。

チェンとその同僚の努力は、新しいコロナウィルスの蔓延が、武漢の最前線の医療スタッフに影響を与えたのみならず、武漢の配達員、タクシー運転手、公衆衛生やコミュニティの労働者に並外れた要求を課した事実を証明するものです。もちろん、わずか数日の間に新しい病院を建設するため、契約を結んだ数千人の建設労働者はいうまでもありません。

しかも、これらの労働者は更なる圧力にさらされています。マスクや手袋、消毒薬等の多くの衛生保護ツールのリソースが最前線の医療スタッフに優先的に費やされ、サポートスタッフのほとんどは、保護されないままになっているためです。

武漢の衛生労働者は、増加した作業量と限られた物資で街の通りを清潔に保つことに苦労しています。・・・通常の清掃サービスに加えて、衛生労働者はリサイクルビンを空にし、1日3回車両を殺菌し、路上に消毒剤を噴霧しなければなりません。・・・

マスク、手袋、消毒剤はすべて不足しています。ある労働者グループは、雇用主から毎日消毒剤と再利用可能な労働手袋を受け取り、他のグループは雇用主から2つのマスクだけを割り当てられました。

交通機関の停止はまた、すでに人手不足の状態にあったコミュニティ労働者への圧力を計り知れないほど増大させました。・・・市のコミュニティワーカーは、地元住民の健康をモニターし、家を出ることができない人々が十分な食料、医薬品、その他必需品を確保できるようにすることを任されています。・・

しかし、コミュニティワーカーの大半は、危機に対処するための備えが整っていません。ウイルスの性質に関する正確な情報も提供されず、最も基本的な保護ツールしかありませんでした。

タクシー運転手Yu Huahui氏はGQレポートに、彼の会社はドライバーにサージカルマスクと消毒剤しか提供していないと語りました。

・・・武漢のある食品配送会社では、1人あたり最大5つのマスクを割り当てましたが、すべての宅配ドライバーに、作業中はマスクを着用し、気分が悪い場合は会社に通知するよう求めました。一方、JD.comは、配達員に毎日新しいマスクを提供しています。時には外科用マスクであり、時にはN95マスクです。ある宅配業者は、これは他の配送会社と比較して非常に高いレベルの保護であると述べています。

地方自治体だけでなく民間企業も、現在、都市の機能を維持する上で非常に重要な役割を果たしている武漢の労働者を支援するために、より多くのことを行うことができ、またそうすべきです。地元の労働組合も、従業員を適切に保護するよう雇用主に圧力をかけることで、大きな役割を果たしすことできるはずです。