日本:人種差別撤廃委員会 日本の第 7-9 回合同報告書に関する総括所見
…5.委員会は、2010 年の総括所見において、締約国に“本総括所見に挙げるすべての問題点に対処す る”よう要請したことを想起する。2011 年の締約国のフォローアップ文書にあるように、パラグラフ 12、20 および 21 で表明した 3 つの懸念事項への回答以外、今回の報告書には 2010 年の総括所見へ の言及は何もなされていない。 委員会は、締約国が次回の定期報告書において本文書に含まれるすべての勧告に対応するよう強く勧 告する。…8.委員会は、いくつかの法律が人種差別に対する条文を含んでいることに留意しつつも、締約国にお いて人種差別行為や人種差別事件が起き続けていること、および、被害者が人種差別に対し適切な法 的救済を求めることを可能とする包括的な人種差別禁止特別法を未だ締約国が制定していないことに ついて、懸念する(第 2 条)。 委員会は、締約国に対して、人種差別の被害者が適切な法的救済を求めることを可能とし、条約 1 条 および 2 条に準拠した、直接的および間接的な人種差別を禁止する包括的な特別法を採択するよう促 す。… 15.委員会は、条約第 2 条および第 5 条に違反して、レストラン、ホテル、公衆浴場や店舗など公共 の場所および一般向けの施設から、人種あるいは国籍を理由とした市民でない者の排除が続いている こと懸念する(第 2 条と第 5 条)。 委員会は、締約国が、とりわけ法律の効果的な適用を確保することで、適切な措置を講じて市民でな い者を公共の施設の利用における差別から守るよう勧告する。委員会はまた、締約国がそのような差 別行為を調査して処罰し、関連する法律の要件に関する公衆の啓発キャンペーンを強化することを勧 告する。
(原文より引用)