イタリア:インド人農業労働者が労災で腕を切断されたまま放置され死亡し、組合と移民コミュニティが「野蛮な搾取」に抗議
2024年6月、インド人農業労働者が労働災害で腕を切断された後、雇用主によって道路に放置され死亡した。この労働者はローマ近郊のラティーナの農場で雇われ2年間働いていた。彼は不法滞在者で、法的な労働契約を結ばず、時給わずか5ユーロで働いていたとされる。
雇用主である農場主アントネッロ・ロバート氏は現在、過失致死罪、労働安全規則違反、扶助義務違反の容疑で捜査を受けている。ロバート氏側の弁護士はロイター通信に対して、ロバートは告訴が正式決定されるのを待っている状態であると語った。
この事故の恐ろしさをさらに際立たせているのは、インド人農場労働者が救助されるどころか、自宅の近くに捨てられたという事実だ。[...] 彼はゴミ袋のように道路に置き去りにされた。[...] 彼の妻が(雇用主に)病院に連れて行くよう懇願したにもかかわらずである。ここで私たちは、この事自体がすでに憂慮すべき重大な労働災害であるだけではなく、野蛮な搾取であるという事実に直面している。このような事はもうたくさんだ。ローラ・ハルディープ・カウル氏、Frosinone-Latina労組書記長
ラティーナではインドからの移民労働者が数多く従事している。Caporalato(カポララート)制度は、ギャングマスター(多数の外国人労働者を確保して労働搾取を行う元締)がしばしば非不法滞在者を雇うもので、労働条件が極めて搾取的であるとの疑惑がある。
労働者の死を受けて、複数の労働組合とラティーナのインド人コミュニティは、「労働者の尊厳と健康と安全の尊重」を要求する2時間のストライキを含む抗議活動を呼びかけている。インド人移民のコミュニティは、6月25日に労働者を追悼するデモを行う。労働組合はまた、労働者家族のための募金活動を企画した。
労働組合のリーダーであるマリア・ガルツィア・ガブリエッリ氏は、今回の事件を「前例のない残虐さ」と表現し、国内で不法移民が経験する窮地を強調した。
労働組合はイタリア政府とも会談し、今後移民労働者をさらに保護するために必要な変更について話し合った。
労働者が雇用されていた農場経営者は、7月の時点で逮捕されている。