バングラデシュから調達している英国のハイストリートブランドの9割が「不公正な」購買行為を行っているとの調査結果
[Fashion brands paid Bangladesh factories less than cost - report], 2023年1月8日
[ 英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]
大手のハイストリートファッションブランドが自社ブランドの仕入先であるバングラデシュ国内の工場に対して、製造原価未満の価格での取引を行っていることが調査により明らかになった。
1000の工場を対象に行われた調査によると、材料費が高騰しているにもかかわらず、大半の工場で2年前のパンデミック以前と同じ価格での取引が続いていることが分かった。
また、5分の1の工場で、バングラデシュの最低賃金である1日あたり£2.30の支払いに苦労しているという。
今回の調査は、アバディーン大学ビジネススクールが慈善団体Transform Tradeとともに実施した。
報告書では、2020年3月から2021年12月までの期間について調査した結果がまとめられている。
調査では、4箇所以上の工場と取引のある大手ハイストリートブランドのうち9割が不公正な調達行動を行っていることが報告されている。
こうした調達行動には、注文の取り消し、支払い不履行、支払い遅延、値引きの要求のほか、波及的な影響として時間外労働の強要やハラスメントも含まれる。
複数の販売業者が、同報告書の主張を否定している。
今回のプロジェクトを主導したのは、サステナビリティ会計と透明性を専門とするアバディーン大学のMuhammad Azizul Islam教授だ。[...]
同教授は、サプライヤーの話から、規模の小さいブランドと比べて、多くの工場と取引のある大手ブランドの方が不公正な調達行動を行う頻度が高いと述べた。[...]
また今回の調査では、パンデミック後には、工場で働く労働者が以前の75%にまで減り、最大90万人が職を失った可能性があることも明らかになった。[...]
Transform TradeのFiona Gooch氏は、今回の調査は警告であると話す。[...]彼女はBBCの取材に、「スーパーマーケットに監視人がいるように、英国の衣料販売業者を取り締まる監視人が必要だ」と答えた。
昨年7月には、ファッションサプライチェーンに関する議会法案が超党派の支持を受けて審議された。
同法案では、英国の衣料販売業者と世界各地のサプライヤーとの間における公正な取引を監督するための監視機関の設置が提案されている。