米国:中絶へのアクセス規制による労働、プライバシー、監視リスクを専門家が警告
2022年5月、「ロー対ウェイド判決」を覆す可能性のある米国最高裁判決草案が流出した。これを受けて専門家は、中絶へのアクセス規制が労働者に負の影響を与え、プライバシーと監視保護が不十分な結果、中絶を行った人々に対する犯罪捜査に機密データが使用される可能性があると警告している。
労働問題の専門家は、中絶へのアクセスは雇用問題に直結し、アクセスを規制することは女性、とりわけ有色人種の女性に経済的な負の影響を与える可能性があると指摘している。いくつかの企業は中絶の規制が従業員の健康と安全に与える影響を認識し、規制の対象となる州にいる従業員の渡航費用を負担する姿勢を示している。その一方で、多くの企業はこの最高裁判決案に対して沈黙を守り、コメントを控えている。
デジタル著作権の専門家は、中絶が違法化された州では、中絶を行った人々と手助けした人々を標的にするためにデータ追跡やデジタル監視の手法が利用される可能性があると警告している。専門家は、月経周期管理アプリ「Clue」や「Flo Health」といった企業が、中絶経験者を標的にするために利用される可能性があると指摘している。両社とも、ユーザーのプライバシーを尊重し、第三者とデータを共有することはないと明言している。また、データプロバイダーのSafeGraphとPlaceraiは、中絶クリニックでの携帯電話利用者の位置情報を共有しているとして批判を浴びている。上記データプロバイダー二社はその後、自社のウェブサイトから情報を削除した。
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