責任ある海外進出を
2021ブリーフィング:中国のグローバル投資がもたらす人権への影響
中国の海外投資は、政府が1999年にGo Out Policy(走出去戦略)を開始して以降、急速に増加してきました。2014年だけでも中国の海外への資本移動は14%増加して1030億ドル近くに達しました。米国や日本といった中国以外に本社を置く企業は依然としてグローバルな舞台における重要なプレーヤーであり続けていますが、その中でも中国の海外投資の増加速度は注目に値します。
また、中国企業が企業活動を行う上で確実に社会的・環境的リスクを軽減することを可能にするための指針もまた広がっています。これには、プロジェクトファイナンスのための「グリーンクレジットガイドライン」および商務部による「海外投資に関する規則」、鉱業主導の「外国向けの鉱業投資における社会的責任についてのガイドライン」が含まれます。
2011年後半以来、中国による海外投資の規制に関する政策は、投資や人々の安全を保証することから、デューディリジェンスとローカル化に基づいた社会的な営業ライセンスの保証にその焦点が移行してきました。中国紡織工業連合会・北京大学・梁晓晖博士
企業や政府、市民社会の重要な役割とは、以下の指導目標が実際に遵守されることを保証することです。
プロジェクト投資は、受入国に対して雇用を生み出し、インフラを整備することができます。しかし、それらは地域コミュニティの強制移転や環境汚染、労働者への権利侵害を伴うことがあり得ます。この情報ハブを通じて、私たちは以下を目標にします:
- 海外で活動する中国企業向けの社会的および環境的規範や指導指針についての認識を高めること。
- 世界各地にいる私たちのリサーチャーネットワークが収集したニュースを広めることによって、透明性を高めること。ここには、企業による先進的な取り組みや効果的な施策、不正行為の申し立て、そして政策的進展の具体例が含まれます。
- 市民社会が具体的な懸念を表明した際に、中国企業が対応を取るよう促すことによって説明責任の強化を図ること。この情報ハブは、これまでに60件以上の取り組みが行われ、回答率は50%でした。
このプラットフォームは、全ての地域に本社を置く企業による、積極的または消極的な人権に対する影響を明らかにするという、私たちの活動のより大きな文脈に沿ったものです。
後戻りできない状況に達する前に、紛争に影響を与える可能性のある企業の行動を事前に是正することは、膨大な時間や労力、そして金銭の無駄を省くことにつながります。『An Evolving Framework for Outward Investment - A Chinese Approach to Conflict Sensitive Business』著・蒋姮博士