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ブリーフィング

2023年7月6日

クリーンエネルギーを紐解く:中国による移行鉱物への海外投資が人権に与える影響

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Shutterstock (licensed)

これからの10年、クリーンエネルギーへの世界的な移行において中国は間違いなく中心的な役割を担うことになるでしょう。それには、国外での移行鉱物の採掘事業への多額の投資が必要であり、エネルギー移行を迅速に進めるだけでなく、中国が国外で進める投資事業により最も直接的なインパクトを受ける労働者やコミュニティにとって公平な移行とする重要な責任が中国に課されることになります。世界が求める迅速かつ公正なエネルギー移行と、一帯一路構想のより広範な社会的目標への貢献を中国が目指すのであれば、同国の鉱業企業の慣行やアプローチの大幅な改善が必要となります。本報告書では、その内容をまとめています。

クリーンエネルギー技術への世界的な移行により、銅、コバルト、リチウム、ニッケル、マンガン、亜鉛のほか、クロム、アルミニウム、希土類元素(REE)などのいわゆる「移行鉱物」への需要が急速に高まっています。2040年までに、これらの移行鉱物の世界消費量は6倍になると予想されています。現在中国は、これらの重要鉱物の加工と精製、またソーラーパネルや風力タービン、電気自動車(EV)用バッテリーのようなクリーンエネルギー技術の製造で優位を占めています。米国や欧州は移行鉱物のサプライチェーンの多様化を計画しているにもかかわらず、中国はこの先何年も現在の優位性を維持しようとしています。中国企業は、国外の鉱山を買収し、鉱物が豊富な国々への投資を進め、移行鉱物の調達先の確保に乗り出しています。一例として挙げられるのがインドネシアでの活動です。インドネシアは、世界最大のニッケル埋蔵量を有しており、国外からの投資のほか中国企業や他の多国籍企業から得た技術を活かして、EVの総合的なサプライチェーンの構築を目指すとともに、EV用バッテリーの生産・輸出国になろうとしています。ジンバブエボリビアなど、豊富な資源を有する他の国も後に続くべく準備を進めています。

今回の調査で目立ったのは、中国企業が国外で行う事業に関連する人権侵害および環境被害の規模と範囲です。2021年1月から2022年12月までの期間に、ビジネスと人権リソースセンター(以下、リソースセンター)は、侵害が疑われる事例を合計102件確認しました。また、リソースセンターのTransition Mineral Tracker(移行鉱物資源追跡調査、TMT)には、こうした事例と並んで、北米や欧州の企業による侵害が疑われる同様の事例が記録されているほか、アンデス地方東南アジアケニア南アフリカの再生可能エネルギーのサプリチェーンにおける人権・環境へのインパクトに関する報告も確認されており、無責任な事業慣行が社会的に脆弱な世界各地の地域コミュニティ、先住民族、移住労働者にもたらしているリスクが明らかになりました。

中国政府および同国の鉱業業界団体(CCCMC)が、国外における企業責任について重要な改革を進めているにもかかわらず、本報告書における調査結果全体としては、探査、採掘、加工を含む、中国企業が関係する移行鉱物のサプライチェーンには人権・環境に関する重大なリスクがあることが示されました。

主な調査結果

  • 記録された権利侵害の事例が最も多かったのはインドネシア(27件)で、ペルー(16件)、コンゴ民主共和国(DRC)(12件)、ミャンマー(11件)、ジンバブエ(7件)と続きました。
  • 事例の3分の2超(69件)が地域コミュニティに対する人権侵害を伴うものでした。最も目立ったリスクは、生計ヘの影響、先住民族の権利、不十分な協議/協議の欠如に関するものでした。
  • 事例の半分超(54件)が環境へのマイナスの影響を伴うもので、水質汚染、野生動物や種の生息地への影響、水のアクセスに関する問題が頻繁に記録されています。
  • 事例の3分の1超(35件)が労働者の権利に関するもので、職場における健康と安全に関するリスクが大半を占めました(下記データ参照)。
  • かなりの数の事例が記録されたにもかかわらず、人権方針を公表している企業は39社のうちわずか7社で、方針面においても実践面においても改善の余地が十分にあることが示されました。

オープン性や透明性の確保を約束しているにもかかわらず、今回明らかになったような人権侵害が疑われる事例について見解を求めたところ、当該セクターの中国企業22社のうち回答があったのはわずか4社でした(回答率18%)。

地域コミュニティへの影響および市民社会団体を標的とする攻撃

各申立は、複数の影響カテゴリーに関連する場合もある。各データは、102件の申立において、影響が記録された件数を表す。

69

地域コミュニティへの影響および市民社会団体を標的とする攻撃の合計件数

34

生計への影響に関連

28

先住民族の権利に関連

23

不十分/不適切な協議

環境への影響

各申立は、複数の影響カテゴリーに関連する場合もある。各データは、102件の申立において、影響が記録された件数を表す。

54

環境への影響に関連する合計件数

24

水質汚染に関連

23

野生生物や種の生息地への影響に関連

21

水へのアクセスに関連

労働者への影響

各申立は、複数の影響カテゴリーに関連する場合もある。各データは、102件の申立において、影響が記録された件数を表す。

35

労働者への影響に関連する合計件数

24

労働安全衛生に関連

こうした結果が示しているとおり、移行鉱物の採掘に関連する人権被害のリスクは拡大しており、その軽減のために一歩進んだ措置を直ちに取る必要があります。企業が行動を起こさなければ、一般市民の支持を失い、衝突や営業停止、遅延、コスト上昇のリスクが生じるでしょう。今の私たちの世界には、それに対処する余裕はありません。別のアプローチ、つまり人権を中心に据え、迅速かつ公正な移行を約束するアプローチが必要で、3つの重要な原則を軸にして構築することが可能です。

  • 一般市民の支持を確立する繁栄の共有
  • 社会的・環境的な被害を軽減するための人権・環境デューディリジェンスの確実な実施
  • 安定した投資環境を構築するための公平な交渉

グリーン技術を後押しする移行鉱物への需要が世界の優先事項の一つである現状は今後も続くため、鉱業企業やその投資家による人権侵害の実態は依然として深刻に懸念されます。そのため、こうした原則へのコミットメントはこれまで以上に重要となります。

背景

中国政府がグリーンエネルギーを支持し、国外での石炭火力発電施設の建設を中止すると約束したことは歓迎されるべきものです。国全体で、政府として、またセクター別にも各種政策やガイドラインの策定が進んでいます。最新版となる同国の「人権行動計画」(2021~2025年)で政府は、「世界中のサプライチェーンにおいて責任ある事業慣行を推進する」ことを主張しています。また、新たに策定されたガイドラインは、金融機関企業に対し、より高いESG(環境・社会・ガバナンス)基準を導入するよう求める内容となっています。

政府機関や主要業界団体によるガイドライン策定などの取り組みが進んでいるにもかかわらず、こうした努力はまだ国外での中国企業の事業慣行に反映されていません。中国において、また中国の投資を受け入れる国々において、透明性を確保し、デューディリジェンスを実施し、企業が法的説明責任を果たすための効果的な仕組みが緊急に必要とされています。

中国には、同国による国外での事業およびサプライチェーンへのインパクトを規制する包括的な法的枠組みがありません。既存の方針は、事実上大半が任意によるもので、コーポレート・サステナビリティ・デューディリジェンス指令に基づいて現在欧州が進めているように、実質的に企業の説明責任が問われる十分な内容とはなっていません。日本韓国でも、人権・環境デューディリジェンスの義務化(mHREDD)につながるさらに具体的な規制制度を求める動きが見られます。

中国企業が行うあるいは投資する事業の多くは、資源を豊富に有する一方で、ガバナンスが脆弱で、被害者が救済を求める手段が限られている国々で進められています。中国には、域外における人権・環境デューディリジェンスの実施や救済へのアクセスを義務づける法律がなく、労働者やコミュニティには、企業による権利侵害があった際に、必要な対応をして実効的な措置を取るよう企業の責任を主張する手段が、あったとしてもごくわずかしかないのが現状なのです。

中国五鉱化工進出口商会(CCCMC)をはじめとする主要業界団体は、企業の社会的責任に関する複数の取り組みを調整する上で積極的な役割を果たしており、最近業界横断の仲裁・協議制度の試験的運用を開始しました。採掘事業により影響を受けるコミュニティや労働者、その他のステークホルダーは、CCCMCのガイドライン国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)など「責任ある事業行動に関する一般に認められた指針(recognised codes for responsible business conduct)」を企業が順守していないと疑われる場合に苦情を申し立てることができます。この制度により、コミュニティと企業の間で仲介を通じた対話プロセスが実現し、環境および社会的な懸念事項に対する救済について交渉できるようになります。同制度の試験運用が始まる中、専門家は、制度の独立性と参加手段が限られているステークホルダーのアクセシビリティの強化をはじめ、さらなる制度の改善を提案しています。

再生可能エネルギーセクターで担う重要な役割を考えると、中国の事業者は、クリーンエネルギーへの責任ある移行を主導する非常に大きな可能性を有しています。しかしそれは、鉱物のサプライチェーンにおける他の買い手や投資家、主要ステークホルダーと足並みをそろえて取り組みを進めると同時に支援を受けつつ、移行鉱物に関連する長年の環境・社会課題に対処するために積極的かつ道義的な措置を中国企業および中国の規制当局が取ってはじめて、現実となりうるのです。

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