中国:新報告書、トヨタなどの自動車メーカーがアルミニウムのサプライチェーンでウイグル族の強制労働が用いられるリスクを最小化できていないと指摘;企業コメントを含む
[中国:自動車メーカー、新疆ウイグル自治区での強制労働と関係- BYD、GM、テスラ、トヨタ、フォルクスワーゲンが使うアルミ製品に人権侵害の疑い] 2024年2月1日
ゼネラルモーターズ(GM)、テスラ、BYD、トヨタ、フォルクスワーゲンなどのグローバル自動車メーカーは、自社のアルミニウムのサプライチェーンでウイグル族の強制労働が用いられるリスクを最小化できていないと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは報告書で指摘した。
今回の報告書「居眠り運転:中国での強制労働に加担する自動車メーカー」(全99頁)によると、一部の自動車メーカーは中国政府の圧力に屈し、中国の合弁会社ではグローバルなオペレーションよりも低い人権基準や責任ある調達基準を適用し、自社製品が新疆ウイグル自治区での強制労働にさらされるリスクを高めている。ほとんどの企業は、アルミニウムのサプライチェーンをマッピングして強制労働との関係を特定する努力を、あまりにも怠っている。
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中国北西部の新疆ウイグル自治区とアルミニウム産業、強制労働がつながるのは、中国政府が支援する労働者移送事業のためだ。ウイグル族などトュルク系ムスリムが新疆ウイグル自治区などで強制的に仕事をさせられている。
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ヒューマン・ライツ・ウォッチは、中国国営メディアのオンライン記事、企業の報告書、政府の発言等を検証し、新疆ウイグル自治区のアルミニウム生産業者が労働者移送事業に参加していることを示す信頼できる証拠を明らかにした。ヒューマン・ライツ・ウォッチはまた、新疆のアルミニウム生産業者に石炭を供給する化石燃料会社について、この会社の炭鉱が移送された労働者を受け入れている証拠も明らかにした。新疆ウイグル自治区のアルミニウム製錬所では、エネルギー集約型のアルミニウム生産工程の燃料として、この地域に豊富にある石炭(汚染源ともなる)が主に用いられている。
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2017年以降、中国政府は新疆ウイグル自治区で、恣意的拘禁、強制失踪、文化的・宗教的迫害などの人道に対する罪を犯し、ウイグル族などのトュルク系ムスリム住民に同自治区内外で強制労働を課している。
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合弁事業を行う企業は、国連の指導原則に基づき、影響力を行使して、合弁事業のサプライチェーンでの強制労働のリスクに対処する責任も負う。
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ゼネラルモーターズ(GM)、トヨタ自動車、BYD(比亜迪股份有限公司)は、中国の合弁会社の監督、サプライチェーン・マッピング、アルミニウムの原産地に関する照会には無回答だった。
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テスラ社は、自社のアルミニウムのサプライチェーンを「複数のケースで」マッピングしたが、強制労働の証拠は見つからなかったと述べた。しかし、同社が製造する自動車に使用されているアルミニウムのうち、産地不明分の割合については明らかにしなかった。
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