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記事

2024年11月14日

著者:
EIRIS Foundation

EU:企業持続可能性デューデリジェンス指令に対する企業のロビー活動を分析したソーシャル・ロビー・マップ報告書が公開される

Rawpixel C00

[Social LobbyMap identifies financial sector lobbying around CSDDD] 2024年11月13日

[非公式英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]

EU の「企業持続可能性デューディリジェンス指令(CSDDD)」は、企業に対し、人権や環境への責任を果たすためのデューディリジェンスを求める重要な法案である。しかし、企業のロビー活動によって適用範囲が狭められ、法案全体の実効性が低下していると指摘されている。
今回、CSDDDに関連するロビー活動を調査・分析するプロジェクト「ソーシャル・ロビーマップ」が報告書を発表した。この報告書では、CSDDDの適用範囲から金融セクターの主要な活動が事実上排除されたことで、企業が果たすべき持続可能性や人権配慮に関する義務が軽減されてしまった点に注目し、その背景にある企業ロビー活動の影響を詳しく掘り下げている。

主な調査結果

  • EU理事会の役割
  • EU理事会の方針決定に特に大きな影響を与えた加盟国
  • 業界団体と企業(業界団体に所属する企業を含む)のロビー活動における意見の不一致
  • EU法におけるロビー活動の透明性の欠如

この分析では、新たな立法提案を弱体化させようとする企業ロビー活動が、気候変動分野に限らず広範囲で行われていることが確認された。また、CSDDDには、将来的に法案の一部を再検討できる「見直し条項」が設けられている 。この条項は特に金融セクターにおけるCSDDDの適用範囲を見直すための重要な機会となると考えられており、この報告書は、そうした見直しを目指すステークホルダーの関与を促進し、強化するための指針となる情報を提供している。

EIRIS財団の「ソーシャル・ロビーマップ」および企業格付け担当ディレクターであるElissandra da Costa氏は次のように述べている:

「ロビー活動の内容や影響力について透明性を確保することは、背後にある力関係を明らかにし、すべての関連ステークホルダーが建設的でオープンな議論や参加を行える環境を整えるために不可欠である。ソーシャル・ロビーマップ・プロジェクトは、人権や労働基準の観点からロビー活動の透明性を高め、分析を深めることを目指している。この報告書で最初の調査結果を発表できたことを嬉しく思う。」

Richard Howitt氏(企業責任および人権に関する戦略アドバイザー、ソーシャル・ロビーマップ諮問委員会委員長)は次のように述べている:

「企業による人権尊重に関する画期的なEU法に対するロビー活動を詳細に分析したこの初の報告書は、企業が掲げる価値観と、その企業の政府対応部門が実際に行っている行動との間に深い溝があることを明らかにした。この新たな『ソーシャル・ロビーマップ手法』を用いることで、適切な行動を取る企業を評価することが可能になった。さらに、このプロジェクトの大きな意義は、業界団体のロビー活動がほぼ一貫してCSDDDを弱体化させる方向で行われている一方で、業界団体に加盟する企業の意見が必ずしも一致しておらず、内部で意見が分かれている事実を明らかにした点にある。
投資家やその他の関係者にとって、『ソーシャル・ロビーマップ』は現在および将来にわたり、社会や人権に関する企業の政治的関与について責任を追及するための重要なツールとなることが期待されている。

Part of the following timelines

EU: 欧州議会、理事会、委員会が企業持続可能性デューディリジェンス指令の合意に達した

EU Corporate Sustainability Due Diligence Directive: Transposition & 'Omnibus' Updates

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