ドイツ:フォルクスワーゲンの新疆工場の監査が国際的な基準を遵守していないとして物議を醸している
[Volkswagen's Human Rights Bluff] 2024年10月25日
[非公式英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]
ドイツの自動車大手フォルクスワーゲンは、2013年以来、中国西部の新疆ウイグル自治区の首都ウルムチで、中国の国営の自動車メーカーである上海汽車集団(SAIC)と共同で工場を運営している。[...] この工場で働くウイグル人が強制労働させられているのではないかという疑念は、長年にわたり指摘され続けているにもかかわらず、完全には払拭されていない。
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フォルクスワーゲンは、この疑念を解消するため、ベルリンに拠点を置くコンサルティング企業レニング社(Löning - Human Rights & Responsible Business GmbH)に新疆工場の監査を依頼した。[...]
[フォルクスワーゲンの最高法務責任者である]マンフレッド・ドス氏は、監査の結果「工場敷地内で強制労働の兆候は見つからなかった」と述べた。レニング社の最高経営責任者であるマルクス・レニング氏は監査について、「私たちは過去3年間の従業員全197名の雇用契約と給与支払いを確認し、40件の面接を実施し、自由に工場を視察できた」と発表した。 [...] しかし、その後、レニング社の上級職員数人はこの監査プロジェクトの承認を支持しておらず、関与もしていない旨を公に表明した。マルクス・レニング自身も、監査結果の一部に疑問を呈し[…]ウイグル人の従業員にとって現地での面接は「危険」すぎただろうと述べている。
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フォルクスワーゲンは監査を実際に担当した中国の法律事務所の名前を伏せていたが、報道によって、中国南部の都市深セン市に本社を置く法律事務所Liangma Lawが関わっていたことが明らかになった。また、監査報告書の作成者として、Liangmaの2人の弁護士と共に、クライヴ・グリーンウッド氏という起業家の名前が挙がっている。
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SPIEGEL誌はLiangmaにコメントを求めたが、回答はなかった。フォルクスワーゲンは書面で、「ご指摘の件については承知しておらず、これ以上のコメントは差し控えたい」と回答した。[...] フォルクスワーゲンは、Liangmaの弁護士が監査および中国労働法に関する「長年の経験」を有していると主張している。しかし、その評価は疑わしい。
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監査は、国際的に認められたSA8000基準に従って実施されたとされている。この基準では、従業員に匿名で労働条件に関する質問を行うことが求められている。
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しかし、実際には面接前に全員が集められ説明を受けたため、誰が面接に参加しているかが全員にわかっており、匿名性は失われていた。
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面接は外部の弁護士によって個別に行われたが、従業員の発言は3,400キロ離れた深センにある本社にもライブ配信で中継された。報告書によると、そこには上級管理職のチームが「面接を支援、分析するため」にいた。
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この手続きについて質問を受けたフォルクスワーゲンは「当社はこの地域の全体的な状況を把握して」おり、機密性を確保するために「最大限の予防措置」を講じたと述べた。また、監査は「経験豊富な監査人によって、慎重かつ丁寧に、高い専門性をもって」実施されたと強調した。また、グループでの面接は行われなかったと声明には記載されている。
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クライヴ・グリーンウッド氏にも連絡を試みたが、彼からの返答はなかった。
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