マレーシア:FGVホールディングスで働いていた労働者、企業によるパスポートの取り上げと更新手続きの遅延により約5年間帰国を足止めされた疑い;企業回答・無回答を含む
数百人の外国人労働者がFGVホールディングスで働くためにマレーシアに到着してから数年が経過した今、彼らは母国に帰国できずにいる。FGV社の労働者のパスポートは、労働許可証の更新申請を理由に入国管理局に保管されている。入国管理局の局長によると、遅延の原因は同社による支払いの決済を待っているためだという。この問題とは別に、2021年、同社は製造過程における強制労働の告発を受け、米国税関・国境警備局(CBP)により入国禁止となる問題に直面した。
現在、FGV社の労働者1万人のパスポートが入国管理局に保管されており、労働者の窮状を悪化させていると活動家のアンディ・ホール氏は主張している。労働者自身は、契約終了後の帰国をFGV社が妨害したと主張し、苦情を申し立てている。FGV社はこうした訴えを強く否定している。労働者のパスポートは安全に保管されており、いつでも契約を解除する権利があると同社は主張した。その一方で、主にインドとバングラデシュ出身の労働者たちは、家族と離れて過ごした数年間を口々に語り、再会の切望している。
FGV社は自社の慣行を擁護し、「スアラ・カミ(Suara Kami)」苦情処理メカニズムの効率性と、労働者が苦情を訴えるためのさまざまな手段が提供されていることを強調した。しかし、労働者はこのメカニズムの有効性と機密性について疑問を呈している。
入国管理局ルスリン・ジュソー局長は、承認された1,787件の許可証のうち、発行されたのは1,238件にすぎず、多くの労働者が不安の中にいることを明らかにした。「FGV社と、マレーシア政府と個人・企業の間での電子取引サービスを提供するMyEGの間に技術的な問題があり、支払いが遅れている」と説明した。
ビジネスと人権リソースセンターはこのような背景から、FGVホールディングス、FGV社と共に苦情処理メカニズムを開発したLRQA社とElevate社、MSPO(持続可能なパーム油のマレーシア基準)、FGVの認証機関であるRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)に申し立てへの回答を求めた。FGV社、LRQA社、RSPOからの回答の全文は以下の通り。MSPOは回答しなかった。