ザンビア:エネルギー転換に必要な重要鉱物を活用するための新戦略を発表
[Zambia’s Critical Minerals Strategy] 2024年8月29日
[非公式英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]
ザンビア政府は、世界的なエネルギー転換に不可欠な重要鉱物資源を活用するための新戦略を打ち出した。同国のポール・カブスウェ鉱山・鉱物開発大臣は、高解像度の地球物理マッピングを使用し、国内の鉱物資源分布を正確に評価する計画であることを発表した。新戦略では、地政学的な利益と地域社会への影響のバランスをとりながら、鉱物資源開発の利益が十分に行き渡っていない地域にまで届くようにすることを目指す。このアプローチにより、ザンビアは鉱物資源に関する国際的な交渉において、信頼されるパートナとして、より有利な立場を確保することが期待される。
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この戦略では、鉱山操業を成功させるには地域社会の受容が不可欠であるとして、社会的な操業許可(social license to operate)を得ることの重要性を強調している。また、持続可能な経済成長を支えるために、調達可能な資金と手頃な価格の技術の導入が必要だとしている。ザンビア政府はグローバル・パートナーシップを歓迎しているが、単なる資源採掘パートナーではなく、ウィン・ウィンの成果を目指す互恵的な合意を求めている。カブスウェ氏は、過去の失敗から学び、強い交渉力を持って公正なパートナーシップを確保する必要があると強調した。この新戦略はザンビアの鉱物資源管理における重要な一歩であり、バランスの取れた開発、コミュニティの関与、戦略的なグローバル・パートナーシップを通じて、同国の鉱物資源を十分に活用することに焦点を当てている。
独立した非営利団体として南部アフリカの天然資源採掘における企業や政府の行動を監視しているSouthern Africa Resource Watch(SARW)は、鉱物資源管理の戦略的な見直しが必要だとして、公正な利益配分と効果的なガバナンスを確保するため、地域協力と地域社会の関与を強く求めてきた。
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インタビューを受けたSARWのカベンバ事務局長は、鉱業やその他の様々な分野のスキルを若者に身につけさせるための教育の重要性を強調した。彼は、ガバナンスの継続的な改善を求め、新しいエネルギー源がもたらす経済再編の機会を活用するために、従来の方法にとらわれない新しいアプローチを採用するよう促した。特に資源の所有権と管理において、政策と行動のギャップを縮めるとともに、国際的なパートナーとより良い条件の交渉を行う際の汚職対策の必要性を訴えた。また、南部アフリカにおいて効果的なガバナンスと公正な成長を達成するためには、意思決定プロセスにコミュニティや利害関係者を参加させることが不可欠だと述べた。