インド:NGOのトランスペレンテム、強制労働と児童労働で生産された綿花がグローバルアパレルブランドに供給されていることを特定
2025年1月、NGOトランスペレンテムが発表した調査報告書「From Field to Fabric: Enhancing Due Diligence in Cotton Supply Chains (畑から布へ:綿花サプライチェーンにおけるデューデリジェンスの強化)」によると、インドのマディヤ・プラデーシュ州にある綿花農場で労働法違反が確認された。これらの農場はアディダス、アマゾン、アメリカンイーグル、ASDA、カルフール、コロンビアスポーツウェア、ギャップなど60のグローバルアパレルブランドのサプライチェーンに関連していることが明らかになった。調査は2022年6月から2023年3月にかけて実施され、同年7月には中間報告が公開されている。報告書では、強制労働や児童労働、債務労働(借金による束縛)、賃金に関する違反、虐待的な労働環境、そして子どもが農薬を扱うといった危険な労働条件が指摘された。
また、調査対象の農場で生産された綿花がサプライヤー2社(Pratibha SyntexとRemei India)を経由し、その後、製綿工場および綿糸や繊維、衣料品を製造する3社目のサプライヤーであるMaral Overseasのサプライチェーンに使用されていることが判明した。
トランスペレンテムは輸出データや出荷情報を活用し、これらのサプライヤーに関連する複数のアパレルブランドおよび小売業者を特定。2023年後半には、3つのサプライヤーおよび60のブランドや小売業者に連絡を取り、調査結果と改善提案を共有した。これらの企業には、調査結果に基づいて対応策を講じる機会が与えられた。
報告書には各企業の対応状況が記載されており、公表時点および調査結果が共有されてから1年以上が経過した時点でのブランドの行動もまとめられている。トランスペレンテムは、「多くの購入企業およびすべてのサプライヤーが、関係者と協力して是正措置計画を策定し、地域の綿花農場の状況理解を深める努力を進めていることを心強く思う」と述べている。