ウクライナ政府、リトアニアのヴィシウナイ・グループがロシアでの事業・雇用活動を継続していることから同社を「国際的な戦争支援者」に指定
[Still feeding the aggressor: NACP added Viciunai Group to the list of international war sponsors] 2024年1月4日
[英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]
ロシアのウクライナ侵攻が本格化したことを受け、リトアニアの水産加工大手であるヴィシウナイ・グループ(Viciunai Group)の代表はロシア市場からの撤退を表明していた。しかし、その後も同社はロシアでの事業を継続し、新たな従業員を雇用し、ロシアに多額の税金を払いつづけている。これを受けて、ウクライナの国家汚職防止庁(NACP)はヴィシウナイ・グループを「国際的な戦争支援者リスト」に加えたと発表した。
ヴィシウナイ・グループは、世界各地でさまざまな食品を製造・供給しているグローバル企業だ。シーフード製造では欧州有数の実績があり、特にすり身加工業では世界最大手となっている。本社はリトアニアにあり、リトアニアの他にスペイン、エストニア、ロシアに製造拠点がある。
2022年3月、ロシアがウクライナに全面侵攻した後、ヴィシウナイ・グループのトップであるサルナス・マティヨサイティス氏は、同社は3~4ヶ月以内にロシア市場から撤退すると述べた。
しかし、同社はロシアでの事業をいまなお停止しておらず、ロシア消費者に愛されるブランドとしての地位を保っている。
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ヴィシウナイの子会社BaltCo LLCは、ロシアで水産加工品やすり身、魚介類の輸送サービスを提供しており、2022年の純利益は250万米ドルに達した。
NACPのオレクサンドル・ノビコフ(Oleksandr Novikov)局長は「他国への侵略という戦争犯罪にもかかわらず、ヴィシウナイのような有名ブランドがロシア市場に存在し続けることは、ロシアが国際経済プロセスの一部であるという誤ったシ認識を世界に発信することになる。これにより、ロシアの人々は、民主的な世界が自分たちに背を向けておらず、自分たちが正しいことをしていると感じるだろう。すでに多くの企業が民主主義と倫理的誠実さという価値観を支えるため、ロシア市場から撤退するという正しい選択を下した。しかし、ヴィシウナイ・グループはそれに倣わず、空約束でごまかしている」と述べた。
ヴィシウナイ・グループはロシアでの事業と生産を停止するという声明を複数回にわたって出しているが、依然としてロシアでの事業を継続している。ロシアに多額の税金を支払うことは、同国の武器予算を増やすことであり、ウクライナに対する戦争の支援に他ならない。
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