グアテマラ:米州人権裁判所、政府は土地における鉱山採掘を許可したことで、先住民ケクチ族の財産権と協議権を侵害したとの判決を下す
[International court rules against Guatemala in a landmark Indigenous and environmental rights case] 2023年12月17日
[英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]
約20年前に先住民族の土地における巨大なニッケル鉱山開発を許可したことで、グアテマラ政府は先住民の権利を侵害したとの判決を米州人権裁判所が下した。
この画期的な判決は、先住民の土地の権利を求める40年にわたる闘いと、長く苦しい法廷闘争における記念碑的な一歩となった。
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判決によれば、グアテマラ政府は少なくとも1800年代から先住民族ケクチ(Q'eqchi')族が暮らしてきた土地での採掘を許可し、財産権と協議権を侵害した。
裁判所は判決文の中で、この人権侵害を先住民の所有権を承認していない 「国内法の不備」に関連付け、国に対して新法の制定を命じた。
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「南米のすべての国々がこの判決に注目するだろう」「すべての裁判所は、鉱業、先住民の土地、あるいは先住民の土地の権利に関するいかなる決定も、今日裁判所が下した決定と整合性のある方法で行われることを保証しなければならないだろう」と、インディアン・ロー・リソース・センター(Indian Law Resource Center)のクリッパ氏は語る。
さらに、裁判所はグアテマラ政府に対して、すべての鉱業活動を即時停止し、6か月以内にコミュニティに土地所有権を譲渡するよう命じ、開発基金の設立を指示した。裁判所は、コミュニティの同意なしにはこれ以上の鉱業が行われてはならないとしている。
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地元のリーダーであるロドリゴ・トット氏にとって、この判決は自分の息子の命を奪った鉱山と国に対する生涯をかけた戦いの正当性を証明するものである。
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グアテマラは約20年前、カナダの鉱業会社ハドベイに対して、グアテマラ東部フェニックス鉱山での大規模な試掘許可を初めて与えた。2009年、鉱山の警備責任者によりトット氏の息子が射殺された。ハドベイ社はこの事件の2年後に、フェニックス鉱山をスイスに本社を置くソルウェイ・インベストメント・グループの現地法人に売却している。
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ソルウェイの広報担当者は、同社とその子会社は「この訴訟の当事者ではない」とし、「土地区画の不一致に関する意見の相違は、当社がプロジェクトを買収する前から始まっていた」と述べた。
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