コットン・キャンペーン、独企業・経済団体・サプライチェーン関連アクター等に対し、強制労働が懸念されるトルクメニスタンの繊維産業への投資の停止を要請 独サプライチェーンデューディリジェンス法違反を指摘
2023年6月27日、合わせると数千にも上るドイツ企業を代表する同国の7つの経済団体・コンサルティング会社が、デュッセルドルフで「トルクメニスタン・ビジネスデー(Wirtschaftstag Turkmenistan)」を主催し、トルクメニスタンの繊維産業をはじめ、石油・ガス産業などへの投資を呼びかけた。このイベントに先立ち、人権団体コットン・キャンペーンは、共催者である独企業すべての幹部に向けて書簡 を送り、トルクメニスタンで生産されるコットンに関連して組織的な強制労働のリスクがまん延しているとしてイベントへの深刻な懸念を表明していた。書簡によると、トルクメニスタン産のコットンはすべて、トルクメニスタン政府の厳格かつ完全な統制のもと国主導の強制労働により生産されており、国際企業が信頼できるデューディリジェンスを実施することが不可能であるため、トルクメニスタンのサプライヤー、あるいは同国産のコットンを使用している第三国のサプライヤーからコットンを調達すれば、ドイツのサプライチェーン法に違反にすることになる。コットン・キャンペーンは、ドイツの経済団体、コンサルタント会社、マルチステークホルダーによるイニシアチブ、サプライチェーンに属する組織すべてに対して、トルクメニスタンの繊維産業への投資を停止するよう要請している。
いずれの共催企業からも今回の書簡への返答は得られていない。ビジネスと人権リソースセンターは、それらの企業に対し、今回のイベントとコットン・キャンペーンの書簡についてのコメントを求めた。回答があったのは、VDMA(ドイツ機械工業連盟)のみで、Commit Group、BVMW(ドイツ中小企業協会)、AHV NRW(Außenhandelsverband Nordrhein-Westfalen)、ドイツビジネス東部委員会(OA)、IHK(ドイツ商工会議所)デュッセルドルフからは回答がなかった。ドイツ・トルクメニスタン・フォーラムは、トルクメニスタン産コットンの調達の可能性について問い合わせをしているところであり、詳細の情報を提供するつもりだという。