コロンビア「血の石炭」の被害者、欧州のエネルギー企業に対し、オランダNCPを通じてOECDに苦情申立;企業回答を含む
2023年4月20日、SOMO、PAX、La Asamblea Campesina del Cesar por la Restitución de Tierras y el Buen Vivirの3団体は、RWE AG、Uniper SE、Engie SA、Vattenfall AB、HES International、Havenbedrijf Amsterdam NV、Havenbedrijf Rotterdamに対する苦情を、オランダの連絡窓口を通じてOECDに提起した。
3団体は、オランダで石炭の取引を行い、同国に石炭火力発電所を有する前述の電力会社4社および物流企業3社が、コロンビアのセザール県にある炭鉱地域における強制退去に伴う人権への負の影響に関してOECD指針に違反していると主張した。
1996年から2006年にかけて、同炭鉱地域の住民は民兵組織による暴力に大いに苦しめられ、3000人以上が殺害され、何万人もが自らの土地を追われた。この地域にある鉱山で事業を行う、米国に拠点を持つDrummondとスイスに拠点を持つGlencoreの2社は、強制退去させられた人々が避難を余儀なくされた土地にまで採鉱事業を拡大した。苦情を申し立てた3団体は、被害者はいまだに救済を受けておらず、石炭事業への抗議活動を行っている人権擁護者を標的にした脅迫や殺害が続いていると訴えている。
苦情によると、当該の欧州企業は、サプライチェーンで虐待が起きている事実を知りながら、そうした人権侵害に対処する措置を取らなかったという。苦情を申し立てた団体は、当該エネルギー企業が強制退去と違法な土地の収用に伴う負の影響に直接関連し、今日に至るまで加担し続けていると主張している。
RWE、Uniper、Vattenfallは、世界規模の責任ある石炭サプライチェーンの実現に向けた石炭購入団体主導による業界イニシアチブBettercoalに加盟している。しかし、今回問題を提起した団体によると、Bettercoalが実施した措置のいずれも、強制退去に伴う負の影響を実際に軽減したり、今なお続く影響によるリスクを低減したりする成果につながっていないという。
Colombian victims of “blood coal” are in the Netherlands to file a complaint against energy companies Engie, RWE, Uniper, and Vattenfall, over severe human rights violations surrounding coal mines in Colombia. #BloodCoalhttps://t.co/TK4vr9SgoG pic.twitter.com/eBUFvaCoY1
— CorpWatch (@CorpWatch) May 5, 2023
ビジネスと人権リソースセンターは、RWE AG、Uniper SE、Engie SA、Vattenfall AB、HES International、Havenbedrijf Amsterdam NV、Havenbedrijf Rotterdam、Bettercoalに回答を求めた。回答があったのは、RWE AG、Vattenfall AB、HES International、Havenbedrijf Amsterdam NV、Havenbedrijf Rotterdam。Uniper SE、Engie SA、Bettercoalは回答を辞退した。
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