タイ:NGOが当局に司法上の嫌がらせから人権擁護活動家を保護&Angkhana Neelapaijit氏に対するThammakaset社の提訴取り下げを求めるよう要請
[Thailand: Drop Criminal Defamation Cases against Angkhana Neelapaijit and other Human Rights Defenders] 2021年8月12日
[ 英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター ]
人権団体Fortify Rightsは、タイ当局は司法上の嫌がらせから人権擁護活動家を保護し、鶏肉大手Thammakaset社が提起した名誉毀損訴訟を棄却するべきであると本日発表した。人権擁護活動家でタイの国家人権理事を務めていたAngkhana Neelapaijit氏に対してThammakaset社が起こしている訴訟を裁判にかけるべきかどうかについて、バンコク南刑事裁判所が8月16日に判断を下す。
8月16日の判断は、Angkhana Neelapaijit氏に対してThammakaset社が提起した名誉毀損訴訟に関して、17カ月以上のわたって行われてきた4回の予審の締めくくりとなる。2019年10月25日の最初の告訴では、Angkhana Neelapaijit氏が2018年12月3日と2019年6月28日に行った二度のSNSへの投稿で、Thammakaset社が提訴していた他の人権擁護活動家への支持を表明したことが自社に対する名誉毀損にあたると訴えた。
Angkhana Neelapaijit氏は、Fortify Rightsの人権シニアスペシャリストPuttanee Kangkun氏とFortify Rightsの元コミュニケーション・アソシエートThanaporn Saleephol氏に対してThammakaset社が起こした共同訴訟でも、二度目となる名誉毀損の訴えを受けている。3名の女性に対する訴訟はすべて、Thammakaset社に提訴された人々との連帯を表明するSNSへの投稿に関するものだ。共同訴訟の予審は、バンコク南刑事裁判所で2021年12月27日に予定されている。
すべての訴訟で、Thammakaset社は、タイ刑法の第326条および第328条の違反を主張している。有罪となった場合、1件あたり最長2年の懲役と最高20万バーツ(約67万円 )の罰金が科せられる。Angkhana Neelapaijit氏は、同社による2つの訴訟で合計4件の訴えを起こされている。
2016年以降、Thammakaset社は、22名の人権擁護活動家に対し、少なくとも37件の訴えを起こした。大半の訴訟で、裁判所は同社の訴えを棄却または認めない判決を下している。それにもかかわらず、タイ当局はいまだに同社による人権擁護活動家に対する名誉毀損の訴えを認めている。最近では、マヒドン大学の人権・平和研究所の講師Ngamsuk Ruttanasatain氏に対する名誉毀損訴訟の再審を求めるThammakaset社の訴えを最高裁判所が認めた。この訴訟については、2019年9月に行われた予審の段階で下級裁判所が棄却の判決を下していた。同社の訴えに対する最高裁の決定は、2021年9月22日に出される予定。[...]