ドイツ: 経済省が人権問題を懸念しフォルクスワーゲンの中国投資保証申請を拒否
[Germany denies VW China investment guarantees over human rights concerns] 2022年5月30日
[英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]
ドイツ経済省は中国新疆ウイグル自治区での人権侵害を懸念し、自動車大手フォルクスワーゲンの中国での新規投資に対する保証を拒否したとデア・シュピーゲル誌が報じた。
同省は、新疆ウイグル自治区での人権侵害の懸念を理由に、とある企業からの4件の申請を拒否したことを認めた一方で、具体的な企業名については言及を避けた。シュピーゲル誌は、情報源を明示していないが、フォルクスワーゲンが渦中の企業であると報じている。
「新疆ウイグル自治区における人権状況は近年悪化しており、ウイグル人の強制労働や集団抑留が行われている」と同省は述べている。
ドイツ政府は、新疆ウイグル自治区内でのプロジェクト、あるいは新疆で活動する団体とビジネス上の関係があるプロジェクトには保証を与えないことを決定した。 [...]
フォルクスワーゲンの広報担当者は、同社が中国での投資保証の申請書を提出したことを認めた上で、ドイツ経済省からは正式決定をまだ受けていないことを明らかにした。
さらに、今回の申請は同グループの新疆工場やその周辺への直接投資に関するものではない一方で、国内の他工場で作られた製品が新疆に流入する可能性は否定できないと言及した。
モスクワのウクライナ侵攻で窮地に立たされたドイツは、ロシア産ガスの依存からの脱却を模索中であるが、今後は中国との関係を見直し、人権により力を入れるつもりであるとロベルト・ハベック経済相は今週初めに述べた。
フォルクスワーゲンは国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」を遵守しており、これは同社の行動規範にとって不可欠な要素であるとの見解を示した。