ナイジェリア:オランダ裁判所、画期的な評決でニジェールデルタの石油流出の責任を負うシェル・ナイジェリアを裁定 ロイヤル・ダッチ・シェルは注意義務に違反
「Niger Delta Oil Spills: Shell Ruled Responsible In Landmark Verdict」2021年1月29日
[英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]
2008年に最初に提起されたナイジェリアでの石油流出事故を巡る裁判で、オランダの裁判所は石油大手シェルに対して歴史的な判決を下した。これにより、環境活動家とナイジェリアの農民4名の訴えが認められ勝訴した。
ハーグ控訴裁判所において金曜日に提出された判決で、控訴裁判官は農民側に立ち、訴訟の対象となった石油パイプライン漏れ6つのうち4つはシェルのナイジェリア子会社に責任があるとした。同時に、親会社であるロイヤル・ダッチ・シェルの注意義務違反が認められた。
シェルは、石油流出によって地域が莫大な被害を被ったと主張する農民に対し、不特定の損害賠償金を支払うことになる。同社はまた、パイプライン漏れの検知装置を設置するよう命じられた。
ナイジェリア側の原告の一人でゴイ村に住むエリック・ドゥーは、メディアに対して次のように語った。「シェルの石油の影響に苦しんでいるナイジェリアの人々に、ついに正義が認められた。しかし、私の父を含む二名の原告はこの裁判の終わりを見届けることが出来なかったため、ほろ苦い勝利となった。だが、この評決はニジェールデルタの人々の将来に希望をもたらした。」
ナイジェリアと共にこの訴訟を起こしたFriends of the Earthオランダorオランダは、評決を「期待以上」と評価し、ディレクターのドナルド・ポルズは次のように述べている。「これは影響を受けた農民にとって素晴らしいニュースだ。それと同時に、世界各地で不正に関与しているすべてのオランダの多国籍企業に対する警告でもある。」
ロイヤル・ダッチ・シェルは声明の中で、評決に「失望した」と述べた。同社は、石油漏れは何らかのサボタージュ行為によって引き起こされたと主張している。
Friends of the Earthによると、オランダの多国籍企業が海外で注意義務違反の責任を問われたのは、これが初めてということだ。