ノルウェー政府は、2018年8月、2度の議会決議に基づき、倫理情報ならびに企業による人権への影響について知る権利を法律で規定する可能性を調査するため倫理情報委員会を任命した。2019年11月、専門家による同委員会は、サプライチェーンの透明性、知る権利、デューディリジェンスに関する草案を発表した。2020年夏、同国外務省とノルウェー開発協力局は、現代奴隷の撲滅に向けた支援プログラムを開始した。同プログラムでは、ノルウェーのパートナー国における現代奴隷の防止だけでなく、企業によるデューディリジェンスおよびバリューチェーンの取り組み強化も支援している。

2021年4月、ノルウェー政府は、動議150 L (2020-2021、ノルウェー語のみ)として「事業の透明性と基本的人権およびディーセントワークへの取り組みに関する法律」を提出した。同法案は、2019年の草案を基に作成されており、市民社会や労働団体、事業団体と協議を進めてきた倫理情報委員会の取り組みに基づく内容となっている。

2021年6月10日、ノルウェー議会が同法案を可決し、2022年1月1日に発効する見通しとなった。