バングラデシュ:大手ファッションブランドがバングラデシュでの大規模反政府デモを受けて発注量を減らすことを予定していると報道;企業回答を含む
「大手グループが来季の調達量を30%削減すると言っている」サイード・ナシム・マンズール氏、仏スポーツ用品大手デカトロンやユニクロの親会社ファーストリテイリングに供給する靴メーカー会長、バングラデシュ皮革製品・履物製造輸出業者協会顧問
衣料品輸出はバングラデシュ経済の主要な柱であるが、2024年7月に発生した大規模な反政府デモにより工場操業や物流に大きな影響が生じ、同国はかつてない課題に直面している。
このデモは、大手アパレルブランドのサプライチェーンの構造的な脆弱性を浮き彫りにし、公正な賃金と労働条件の改善を求める労働者の声の高まりに対する大手ブランドとそのサプライヤーの対応が世界的な注目を集めるきっかけとなった。
ビジネスと人権リソースセンター(以下「リソースセンター」)は、バングラデシュで進行中の事態を注意深く監視している。特に、企業がこの混乱にどのように対処しているか、既存の調達行動を維持しているか、そしてサプライヤーや影響を受けた労働者に対してどのようなサポートを提供しているかを詳しく調査している。より深い理解を得るために、リソースセンターはグローバルに展開する大手アパレルブランド20社を対象に今回の危機への対応に関する調査を実施した。回答および無回答を含めた調査結果はここで確認できる。ソーシングジャーナル(Sourcing Journal)も独自にブランド調査を行っており、その結果はここから入手できる。
多くのブランドが倫理的な調達を維持し、サプライチェーンを支援することを公約している。Sourcing Journalの調査でユニクロはバングラデシュのサプライヤーへの発注量を削減しないと約束した。しかし、その一方で懸念すべき報道も浮上している。ユニクロの親会社ファーストリテイリングやデカトロンに製品を供給するサプライヤーが、「大手グループが来季の調達量を30%削減すると言っている」と明かしたのである。発注量の削減は、サプライヤーや労働者にさらなる不安定をもたらす要因であり、この動きが労働者に悪影響を及ぼすのではないかという懸念が生じている。
これを受けて、リソースセンターはデカトロンとファーストリテイリングに連絡を取り、バングラデシュの衣料品生産者への発注削減に関する決定についてさらなる説明や情報を求めた。
デカトロンは、バングラデシュのサプライヤーへの発注を減らす計画はないと保証した。ファーストリテイリングは、「2024年7月の抗議デモ以降に、バングラデシュでの発注をキャンセルしたことはない」と改めて強調し、「工場や物流が稼働している限り、バングラデシュへの発注を継続し、撤退する計画はない」という意向を示した。
両社の回答は以下に全文掲載されている。