パレスチナ被占領地(OPT)/イスラエル:ノルウェー最大の年金基金KLP、違法入植地建設とガザ侵攻に加担している疑惑を理由にキャタピラー社への投資撤退を決定
[Norway pension fund sells $69m stake in Caterpillar over alleged involvement in Gaza destruction] 2024年6月28日
[英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]
ノルウェー最大の年金基金KLPは、ヨルダン川西岸とガザにおいて、イスラエルの武装勢力が行っている違法入植地の建設やその他の人権侵害に米国のキャタピラー社が加担している疑惑を理由に、同社との関係を解消した。
KLPは今月初め、キャタピラー社製の重機が、イスラエル軍によってパレスチナ人に対して国際法に違反して使用されるリスク軽減措置を講じているという確証を持てないことから、6,900万ドルの同社株式を売却する決定を下した。
「キャタピラー社は長い間、イスラエルの入植地建設のためにパレスチナ人の家屋やインフラを取り壊すためのブルドーザーやその他の重機を供給してきた」とKLPの責任投資責任者であるキラン・アジズ氏は述べた。
「昨年10月7日のハマスの攻撃後、イスラエル国防軍(IDF)がガザでの軍事作戦に同社の機材を使用しているとの疑惑がある。キャタピラー社がこの点について一切関与していないという確証を得ることができないため、我々は同社を投資対象から除外することを決定した」とアジズ氏は付け加えた。
キャタピラー社からのコメントは得られていない。
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報道の焦点となっているのは、イスラエル軍がキャタピラーD9ブルドーザーに装甲を施した運転席と武器を装備させたことである。複数の人権団体やジャーナリストの報告によると、改造されたブルドーザーは、ヨルダン川西岸におけるイスラエルの違法入植地建設を促進するために、家屋やその他のインフラを取り壊すのに使用されたとされている。
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最近では、キャタピラー社の重機はイスラエル軍によってガザでも使用された疑惑がある。ハマスによる10月7日の攻撃でイスラエル国内で1,200人近くが死亡して以来、ガザでは少なくとも38,000人のパレスチナ人が殺害されている。
12月、権利擁護団体とジャーナリストは、9日間の包囲の後、ブルドーザーを使用しガザ北部のカマル・アドワン病院の外で負傷したパレスチナ民間人を生き埋めにしたとして、イスラエル軍を非難している。
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キャタピラーは、イスラエルのガザ戦争に「加担」している可能性がある数社のうちの一社として国連人権高等弁務官事務所に指摘されている。「これらの企業は、イスラエル軍に武器、部品、構成部品、弾薬を送ることで、国際人権法および国際人道法の重大な違反に加担している危険性がある」と国連専門家は主張している。
国際的な法律専門家たちは、イスラエルはドミサイド(住居や生活環境を大量に破壊して居住不能にすること)やエコサイド(生態系破壊行為)の罪を犯していると指摘している。
KLPは、状況が悪化の一途をたどるなか、何か月もにわたる対話を経ても、人道法に違反しパレスチナ人に危害を加えるために同社の製品が使用される危険性軽減のために、同社が何らかの対策を実施したことを証明することはできなかったと主張した。
「キャタピラー社はKLPとの対話に意欲を示している。しかし、戦争や紛争状況における個人の権利侵害や国際法違反のリスクを実際に軽減するための能力を信頼できる形で立証することができなかった」とアジズ氏は述べた。