[ Facebook's 'double standard' on hate speech against Russians ] 2022年3月17日

[ 英文和訳：ビジネスと人権リソースセンター ]

フェイスブックは、ウクライナ侵攻に関連したロシア人に対するヘイトスピーチを容認することを決定したが、この決定は政治的表現に関する自社の規則を破り、他の紛争に巻き込まれたユーザーを傷つける可能性のある「ダブルスタンダード」に当たることが指摘されている[...]。フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ社は、一部の国のフェイスブックとインスタグラムのユーザーが、ウクライナ侵攻を背景にロシア人やロシア兵への暴力を呼びかけることを一時的に容認する方針を固めた[...]。また、「厳密にウクライナを守るという文脈で」右翼の大隊を称賛する内容も許可する予定であり、専門家はこのプラットフォームの偏りを示す決定であると述べている。

「パレスチナやシリア、その他の非西洋紛争と比較した場合の措置の格差は、テクノロジープラットフォームの不平等や差別がバグではなく特性であることを補強するものです」と、（アクセス・ナウの）中東・北アフリカ担当政策マネージャーのFatafta氏は述べた。

インスタグラムは昨年、東エルサレムからの立ち退きに抗議するパレスチナ人による数百件の投稿を削除した。インスタグラム側は後日、これらの削除は技術的な問題によって引き起こされたと主張した。デジタル著作権の関連団体は、この一連の検閲行為を非難すると同時に、節度ある方針がどのように設定・実行されるのかについての透明性をより一層高めるよう求めている。

人権擁護団体であるロヒンギャ解放連合の共同創設者、Nay San Lwin氏は、「罪のない人々を傷つける可能性があるため、いかなる状況においても、ソーシャルメディアのプラットフォーム上で、暴力やヘイトスピーチを促進することは容認されるべきではない」と主張した。

ヤジディ教徒の活動家であるWahhab Hassoo氏は、ヤジディ教徒の女性や少女を売買するためにソーシャルメディアのプラットフォームを利用するダーイシュのメンバーに対して何も行動を起こさないソーシャルメディア企業にむけて、責任を問うよう働きかけを続けている。Hassoo氏は、「企業の一方的な意思決定が可能であるのなら、プロパガンダ、ヘイトスピーチ、性的暴力、人身売買、奴隷など、その他人権侵害に関するコンテンツを促進することも防ぐこともできるはずだ」と述べている。

Hassoo氏とヤジディ教徒の活動家は報告書をまとめ、少数派ヤジディ教徒に対する犯罪におけるフェイスブックやユーチューブなどのソーシャルメディア・プラットフォームの役割を調査するよう、米国や他の国々に要請した促した。[...]

[ビジネスと人権リソースセンターはメタ社に申立内容に対する見解を求めたが、回答はなかった。]