フランス:EACOPの人権・環境権への影響に関してトタルエナジーズをデューディリジェンス法に則って訴えた注目の裁判が手続き上の理由で棄却
’French court dismisses case against TotalEnergies E. Africa oil project', RFI, 2023年2月28日
[ 英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]
今週火曜日、フランスの裁判所は、ウガンダとタンザニアで進む巨大な石油開発プロジェクトに関し、この物議を醸しているプロジェクトの一時停止を求めて複数のNGOがトタルエナジーズに対して起こした注目の訴訟を棄却した。
フランスでこのような裁判が行われたのは今回が初めてで、活動家たちは、環境や人権に悪影響を及ぼすと思われるプロジェクトを中断させる判例となることを期待していた。
今回の訴訟を起こした6つのNGOは、東アフリカ原油パイプライン(EACOP)の建設計画の進行にあたり、「デューディリジェンス法」に準拠していないと訴えている。2017年に制定されたこの法律は、人権や健康、安全、環境への重大な損害を回避することを企業に義務付けるものだ。
裁判所は今週火曜日、原告側がトタルエナジーズに対して訴訟を起こす上で適切な手続きを行わなかったとし、今回の訴えは「認められない(inadmissible)」と判断した。
裁判所によると、原告側は12月に裁判所に供述書を提出したが、その内容が、本件が開始された2019年に正式通知の中でトタルエナジーズに提示されたものと「大きく異なっていた(substantially different)」という。
今回の訴訟を起こしたのは、フランスの2つのNGOとウガンダの4つのNGOで、トタルエナジーズが十分な補償もなく10万を超える人々から土地を奪ったと非難している。
フランスのNGO Friends of the EarthとSurvival、ならびにウガンダのNGOは、裁判所に提出した書類の大幅な書き換えを否定している。
Friends of the Earthで活動をするJuliette Renaud氏は、「提出書類を整理し、裏付け証拠となる200を超える書類から論点をまとめただけ」と述べた。
原告側は、今回の判決を不服として控訴することができるが、今後の対応については「影響を受けるコミュニティ」と相談するとRenaud氏は語った。
トタルエナジーズは今回の判決を歓迎した。
AFPの取材に対し、今回の判決で同社が「上っ面でなく十分詳細な」内容を伴う「注意義務計画を公式に策定している」ことが認められたと話した。
このプロジェクトは、トタルエナジーズと中国海洋石油(CNOOC)が、ウガンダ国営石油会社と共同で進めている。
火曜日にフランスで下った判決は、「デューディリジェンス法」が裁判所で審理された初のケースとなった。
Casino、Suez、Yves Rocher、BNP Paribasなど他のフランス企業に対しても、「デューディリジェンス法」違反に関する複数の訴訟手続きが現在進行中である。