ミャンマー:インダストリオールなどの労働組合、調達を続ける大手ファッションブランド3社をOECD連絡窓口に申し立て
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IndustriALL Global Union
[Complaints lodged against brands over Myanmar] 2024年11月14日
[非公式英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]
国際労働団体インダストリオール・グローバル・ユニオン(以下、インダストリオール)は、大手ファッションブランド3社(Next、New Yorker、LPP)のミャンマーの労働権侵害について申し立てを行った。ミャンマーでは2021年の軍部によるクーデター以来、「労働者の権利が継続的に侵害されていることを示す圧倒的な証拠」があるにもかかわらず、この3社はミャンマーからの調達を継続している。
インダストリオールは、軍事政権により禁止された現地労働組合であるミャンマー労働組合総連合(CTUM)およびミャンマー製造者連盟(IWFM)と協力し、経済協力開発機構(OECD)の英国、ドイツ、オランダ、ポーランドの各国連絡窓口(NCP)に申し立てた。
申し立てでは、大手3社が人権や労働権に関して倫理的かつ責任を持って事業を行うよう求めているOECD多国籍企業行動指針に違反していると指摘された。
特にドイツのアパレルブランドNew YorkerとポーランドのLPPは、ビジネスと人権リソースセンター(BHRRC)が運営する追跡システムによって、ミャンマーにおける労働者虐待の申し立てが最も多いブランドのひとつとして挙げられている。英国のブランドNextのサプライヤーも労働者虐待で告発されている。[...]
「ミャンマーからの調達を継続しているブランドは、恐怖や強制労働、搾取から利益を得ている」とインダストリオールのAtle Høie書記長はコメントした。
ミャンマーの軍事政権にとって、繊維・衣料産業は崩壊しつつある経済に外国資本を注入する重要な手段となっている。
一方で軍事政権は現地の労働組合を禁止し、組合幹部を逮捕し、結社の自由を制限しているため、組合やその他の労働者組織はもはや機能しなくなっているとインダストリオールは指摘している。
「私たちは、ミャンマーからの調達を継続することは深刻な人権および労働権の侵害に加担することになるとして、多国籍企業にミャンマーからの撤退を強く求めてきた」と、亡命中のIWFM(ミャンマー製造者連盟)会長であるカイン・ザール・アウン氏は述べた。
「これらの大手企業は、OECDガイドラインや人権デューディリジェンスを遵守しているかのように装っているが、軍事独裁政権下ではそれは不可能である。工業地帯は戒厳令下にあり、結社の自由は禁止されているのだから。[...]」
LPPの購買およびESG部門の社会問題専門家であるマグダレーナ・ブラットリー氏は、同社はサプライヤーの工場における人権や労働権の侵害や違反を、その所在地に関わらず認めないと述べた。
すべての工場はLPPの「行動規範」を遵守することを義務付けられている。同社は現在、特に健康と安全、雇用条件、賃金と労働時間、結社の自由と組合代表権の尊重に重点を置いて、ミャンマーのサプライヤーの詳細な監査を行っている。
「私たちは報告された労働権侵害の事例を極めて慎重に確認している」とブラットリー氏は述べた。同氏は「違反が発見された場合、私たちは当該サプライヤーへの発注量を段階的に減らす権利、またはサプライヤーとの提携解消、もしくは契約の即時解除の権利を保有している」と続けた。
Ecotextile NewsはNextとNew Yorkerにも回答を求めている。