[Myanmar’s environment hit by rare earth mining boom] 2022年5月23日

[ 英文和訳：ビジネスと人権リソースセンター]

レアアース（希土類）に頼るハイテク機器の需要増を受けて、手つかずの自然の残るカチン州北部が危機に瀕している。[...]

現地に住む人々は、今ではレアアースの採掘プロセスと環境悪化とのつながりを理解している。水や土が汚染され、作物の収穫量と売上が減るのだ。自分たちが懸念している問題に、州や中央政府が十分に対処していないと話す者もいた。[...]

カチン州での採掘活動は、武装組織のカチン新民主軍（NDA-K）が支配する地域で特に盛んだ。NDA-Kは2009年に軍指揮下の国境警備部隊（BGF）に編入された。リーダーのザクン・ティン・インは、NDA-KのBGF編入後に新たな武装組織を作っている。

2021年2月1日の軍事クーデター以降、ザクン・ティン・インが率いるタッマドー（ミャンマー国軍）支持の武装グループが支配する地域で、レアアースの違法採掘が急増した。この武装グループのメンバーがレアアース採掘会社と関わりを持ち、中国への輸出から利益を得ていることを、複数の情報筋が確認している。

レアアース採掘でもうけようと目論んでやってくる中国人実業家に土地を手配する者もいたという。こうした者たちには、利益の一部が分け与えられていた。[...]

ミャンマー人労働者に支払われる賃金は、ひと月に約4,500元（約650ドル）。レアアースを抽出する池に薬品を入れる作業を担う労働者は、もっと賃金が高い。この業務はリスクが高く、健康に悪いからだとコー・ザウ（採掘場の元労働者）は言う。

この採掘を無責任に行えば、土地の開拓から鉱石の抽出に至るまで、すべての段階で環境や人の健康に有害な影響を及ぼす可能性がある。レアアースを抽出する池では、レアアースを溶かすために有害な薬品が用いられる。漏れを防ぐ適切な処置が施されていなければ、池から汚染水が漏れ出て地下水と混ざる恐れがある。[...]

採掘活動は地域の水源から大量の水を必要とするため、水が不足し作物の収穫が減ってしまったと主張する住民もいる。[...]