ミャンマー:軍事政権下にあるミャンマーの金融機関にコルレス口座を保有している金融機関は、重大な人権侵害に加担の可能性があると指摘される
2023年10月、市民社会組織は、現在軍事政権下にあるミャンマーの金融機関にコルレス口座を保有しているとされる銀行や金融機関に書簡を送った。軍事政権は2021年のクーデター以来、広範な人権侵害を行っている。この書簡は、危機が深刻化している地域での金融サービスや投資が、重大な人権侵害への加担の一形態となる可能性があると指摘し、デューディリジェンスのプロセスについて下記の質問をしている。
- 軍事政権の制裁対象および軍事政権の事実上の支配下にある制裁対象団体が、貴機関が保有するアカウントにアクセスすることを防ぐためにどのような措置を講じたか
- 軍事政権の制裁回避の支援をした、またはその疑いがあると貴機関が認識している個人または団体の口座に関するポリシーは何か
- 軍事政権による制裁回避の取り組みへの参加や促進を避けるための安全措置を講じているか。一般的に、軍事政権の制裁回避の手法には、制裁を受けていない個人や団体を通じて資金を流したり、資金を別の通貨にすることが含まれる。
- ミャンマー経済のジェット燃料部門で活動する外国の個人または法人に対して制裁を課すことを米国が決めた2023年8月の制裁措置を実施するために、どのような措置を講じたか
- 米国による2022年1月ミャンマー関連ビジネスに関する勧告をどのように組み込んだか
- ミャンマーで人道援助とアクセスを確保し、民間人が銀行サービスを利用してリスク低減ができるように、どのような対策を実施しているか
ビジネスと人権リソースセンターは、オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)、バンク・オブ・アメリカ、中国銀行、タイ銀行、バークレイズ、ベトナム投資開発銀行 (BIDV)、グループ ケセ デパーニュ(BPCE)、クレディ・アグリコル、シンガポール開発銀行(DBS)、ドイツDZ銀行、玉山銀行、香港上海銀行 (HSBC)、中国工商銀行、カシコン銀行、クルンタイ銀行、メイバンク、メガインターナショナル、Commercial Bank Co., Ltd.、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、みずほフィナンシャルグループ/株式会社みずほ銀行、モルガン・スタンレー、オーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC)、カナダロイヤル銀行、新韓銀行、サイアム商業銀行、ソシエテ・ジェネラル、インドステイト銀行、三井住友銀行、スイスユニオン銀行(UBS)、ユナイテッド・オーバーシーズ銀行に回答を求めた。
ANZ、BPCE、クレディ・アグリコル、玉山銀行、メイバンク、みずほフィナンシャルグループ、UBSが回答した。BNPパリバ、ドイツ銀行、スタンダードチャータード銀行、トロント・ドミニオン銀行はNo Business with Genocide coalitionに直接回答した。他の機関からは回答がなかった。各機関の回答は下記の通り。