【声明】 国際協力銀行によるベトナム・ブンアン2石炭火力発電事業への支援決定に強く抗議(2020/12/29)
2020年12月29日
本日、公的金融機関である国際協力銀行(JBIC)がベトナム・ブンアン2石炭火力発電事業(以下、ブンアン2)に対する6億3,600万米ドルの融資支援を12月28日に決定したとプレスリリースで発表した……協調融資に参加した民間金融機関には、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行が含まれるとみられる……ブンアン2は国際的な批判も受けていた事業で、多くの問題も指摘されてきた……
同事業に対しては、市民社会からだけでなく、投資家などからも懸念の声が挙げられていた。北欧最大の機関投資家Nordea Asset Managementは、アムンディ、AP7、アリアンツ等、他の機関投資家と連名で、同事業に関与している、もしくは、関与するとされていた公的金融機関や企業に対して2020年10月に書簡を送ったことを明らかにしている……
気候危機がベトナムを含め各地で深刻になっている現状を踏まえても、新規の石炭火力発電所の建設は即刻中止する必要がある……
日本政府は、2020年7月に「インフラ海外展開に関する新戦略の骨子」を決定し、海外の石炭火力発電への公的支援については原則行わないとしたが、この案件については新方針を適用しないとしてきた。しかし、そもそも気候危機への対処として脱炭素化の重要性を認識し、新方針を決定したことを踏まえれば、建設が始まっておらず融資さえも決まっていなかった事業を例外扱いしたことはあるまじき措置であり、批判されるべき深刻なダブルスタンダードである。2020年10月には菅首相が2050年カーボンニュートラルの方針を示したところであり、脱炭素化への日本方針との整合性の観点からも矛盾する。
私たちは改めて、事業に関わるJBIC、三井住友銀行、三井住友信託銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三菱商事・中国電力・韓国電力公社に対し、そして同じく協調融資を行う韓国輸出入銀行やEPCでの参画が見込まれているサムスン物産や斗山重工業らに対しても、同事業からの撤退を求める。また、付保を検討中(2020年12月29日現在)の日本貿易保険に対しても……支援を決定しないよう強く求める。
[本文で記述されている企業:CLPホールディングス, スタンダードチャータード銀行, OCBC銀行, DBS銀行, ゼネラル・エレクトリック ]