日本:政府、サプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドライン検討会を開催、2022年夏までに人権デューディリジェンスのガイドライン案を取りまとめることを目指す
[ 第1回「サプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドライン検討会」を開催します] 2022年3月8日
2月15日に萩生田経済産業大臣から表明したとおり、人権デュー・ディリジェンスに関する業種横断的なガイドラインを策定するため、「サプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドライン検討会」を設置し、3月9日(水曜日)に第1回を開催します。
月1回程度開催し、今夏を目途に、ガイドライン案のとりまとめを目指します。
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第1回公開資料
[第2回 サプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドライン検討会] 2022年3月24日
[第2回検討会 事務局説明資料] 2022年3月24日
今後の検討会のスケジュールについて(案)
3月9日 第1回検討会
3月24日 第2回検討会(本日)
4月下旬 第3回検討会(骨子案について議論)
5月下旬 第4回検討会(ガイドライン案について議論)
6月中(P) 第5回検討会(同上)
6月末 パブリックコメントを開始
7月末 ガイドライン案策定
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※議論の状況に応じて追加開催を検討。
※骨子案やガイドライン案は、検討会での議論等を踏まえつつ、事務局にて作成。
※「ビジネスと人権推進円卓会議」への検討状況報告やガイドライン案のパブリックコメ
ント等を予定。
※国連やOECD関係者など国際機関等との意見交換も検討。
[ 第3回 サプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドライン検討会 ] 2022年4月27日
[ガイドライン骨子案]
1. 企業による人権尊重
1.1 人権尊重責任
✓ 人権を保護する義務は国家にある。同時に、企業にも、人権を尊重する責任があると いうのが、国際的に確立された原則である。具体的には、企業は、他者への人権侵害 を回避し、企業が関与した人権への悪影響に対処すべきことを意味する。そしてこの人権尊重責任は、企業の規模、業種、活動状況、所有者、組織構成に関係なく、全ての企業に適用されるものである。
1.2 人権尊重の意義
✓ 前記 1.1 のとおり、人権尊重責任を果たすことは、全ての企業の責任である。人権尊重の意義は、企業が自社の事業・製品・サービスが、人権に対して悪影響を与える可 能性があることを常に認識し、対処することにより、人権に対する悪影響が停止、防 止、又は軽減される点にある。 ✓ 人権尊重に向けた取組は、企業がその責任を果たすという点で重要であるだけでな く、経営における不確実性の抑制や、企業価値の向上に繋がることも期待できるもの であり、各企業において、積極的に人権尊重に向けた取組を実施していく必要がある。
1.3 本ガイドライン策定の経緯・目的等
✓ 本ガイドラインは、国連指導原則をはじめとする国際的なスタンダードを踏まえた上 で、企業に求められる人権尊重の取組について、日本でビジネスを行う企業の実態に 即して、具体的かつわかりやすく解説し、もって、企業の理解の深化を助け、その取 組を促進することを目的として策定するものである。 ※本ガイドラインの策定に併せて、主に企業の実務担当者に対して、人権尊重の取組の内容をより具体的な形で示すため、実務上有意義と考えられる各種資料を経済産業省におい て作成予定。
1.4 本ガイドラインの対象企業
✓ 本ガイドラインは、その性質上もとより法的拘束力を有するものではないが、企業の 規模、業種等にかかわらず、日本国内でビジネスを行う全ての企業に対し、本ガイドラインを踏まえて、自社・海外を含むビジネス上の関係先における人権尊重の取組に最大限努めることを期待するものである
2. 企業による人権尊重の取組の全体像(総論)
2.1 取組の概要
✓ 企業は、その人権尊重責任を果たすため、人権方針の策定、人権デュー・ディリジェ ンス(以下「人権 DD」という。)の実施、自社が人権への悪影響を引き起こし又は 助長している場合における救済が求められている。
2.1.1 人権方針(各論 3)
✓ 人権方針は、企業が、自社の事業活動に関わる人権尊重に関し、経営陣の考える正統性ある最低基準(ミニマムスタンダード)を、企業の内外に向けて明確に示すもので ある。
2.1.2 人権 DD(各論 4)
✓ 人権 DD は、企業が、その活動全般(①)において、人権(②)への悪影響(③)を 特定し、防止し、軽減し、どのように対処するかを説明するために実施する一連の行 為を指す。そして、人権 DD は、その性質上、人権侵害が存在しないことの結果の保証を求めるものではなく、また、ステークホルダー(④)と対話を重ねながら、その 意見も踏まえて、人権への悪影響を回避し又はそれに対処するために、人権 DD の内容や手続を改善し、情報公開する、継続的な不断のプロセスである。
2.1.2.1 「企業の活動全般」の意味(①)
✓ 企業の活動全般における人権に対する悪影響が人権 DD の対象となる。具体的には、 企業自らの事業に加えて、海外を含む直接・間接のビジネス上の関係先における、実 際の又は潜在的な悪影響についても、人権 DD の対象とするべきである。
2.1.2.2 「人権」の範囲(②)
✓ 人権 DD における 「人権」とは、国際的に認められた全ての人権を指す。そして、国 際的に認められた人権には、例えば、強制的な労働や児童労働に服さない自由、居住 移転の自由、結社の自由、団体交渉権がある。
2.1.2.3 「悪影響」の範囲(③)
✓ 人権 DD は、以下のそれぞれのケースにおける実際の又は潜在的な「悪影響」を対象 とする。
➢ 企業がその活動を通じて悪影響を引き起こす(cause)場合
➢ 企業がその活動を通じて-直接に、又は外部機関(政府、企業その他)を通じて
-悪影響を助長(contribute)する場合
➢ 企業は、悪影響を引き起こさず、助長もしていないものの、取引関係によって事 業、製品又はサービスが人権への悪影響に直接関連(direct linkage)する場合
2.1.2.4 「ステークホルダー」(④)
✓ 「ステークホルダー」とは、企業の活動に影響を受ける又はその可能性のある利害を持つ個人又は集団を指す。ステークホルダーの具体的な内容は、それぞれの企業及び その活動によって異なる。
2.1.3 救済(各論 5)
✓ 救済とは、人権への悪影響について救済を提供する手続、及び、人権への悪影響を弱め又は修復するような実質的な成果の双方を指す。企業が救済を実施することが求め られるのは、自社が人権への悪影響を引き起こし(cause)又は助長している (contribute)場合である。
2.2 人権尊重の取組にあたっての考え方
✓ それぞれの企業が人権尊重責任を果たすために実施する手続きの規模や複雑さは、企 業の規模等の諸要素や企業による人権への悪影響の重大性により異なり得る。
3. 人権方針の策定
3.1 意義
✓ 人権方針は、企業の事業活動に関わる人権尊重に関し、経営陣の考える正統性ある最低基準(ミニマムスタンダード)を、企業の内外に向けて明確に示すものであり、人権の尊重を企業の価値に組み込むための不可欠な第一歩である。
3.2 要件
3.3 人権方針の策定に当たって留意すべき事項
4. 人権 DD の実施
4.1 リスクの特定・評価
✓ 人権 DD の実行に当たっての第一歩は、企業が関与し得る、実際の又は潜在的な人権への悪影響を特定し、評価することである。
4.1.1 具体的なプロセス
4.1.2 リスク特定・評価プロセスの留意点
✓ 定期的なリスク評価
✓ リスク評価の範囲
✓ 自社子会社の扱い
✓ 関連情報の収集
4.1.3 リスクの優先順位付けの判断基準
✓ 優先順位は人権への悪影響の「深刻度」により判断される。
4.2 悪影響の停止、防止及び軽減 ✓ 企業は、人権尊重責任を果たすため、以下の対応が求められる。
➢ 企業活動による人権への悪影響を引き起こしたり助長したりすることを回避し、 悪影響が発生した際には対処すること。
➢ 企業がその影響を引き起こしたり助長したりしていなくても、取引関係によって 企業の事業、製品又はサービスに直接関連する人権への悪影響については、回避 又は軽減に努めること。
4.2.1 検討すべき措置の種類
4.2.1.1 企業が人権への悪影響を引き起こし又は助長している場合
4.2.1.2 人権の悪影響が企業の事業、製品又はサービスに直接関連している場合
4.2.1.3 構造的問題への対処
4.3 実施状況・結果の追跡
✓ 企業の人権方針が最適に実施されているかどうか、及び確認された人権への悪影響に 効果的に対応してきたかどうかを企業が把握し、継続的な改善を進めるために、企業は、その対応の実効性を追跡調査すべきである。
4.3.1 追跡調査の対象・優先順位
4.3.2 追跡調査の方法
4.3.3 追跡調査の組み込み及びツール
4.3.4 追跡調査のための情報収集
4.3.5 追跡調査の結果の活用
4.4 対外説明責任
✓ 企業は、自身が実務において人権を尊重する責任を果たしていることを対外的に示す ことができなければならない。
4.4.1 提供すべき情報
4.4.2 提供方法
5. 救済
✓ 救済とは、人権への悪影響について救済を提供する手続き、及び、人権への悪影響を弱め又は修復するような実質的な成果の双方を指す。
5.1 救済が求められる場合
5.2 救済のための仕組みの整備
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