欧州委員会、エネルギー憲章条約からEUの脱退を提案
[In U-turn, Brussels recommends EU-wide exit from controversial Energy Charter Treaty], 2023年2月7日
[ 英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]
欧州委員会は、これまでの動きから大きく転換し、物議を醸しているエネルギー憲章条約(ECT)からEU27カ国全体として足並みをそろえて脱退するべきであると提案した。ECTとは、予想利益を損なう可能性がある予期せぬ事態からエネルギー投資家を保護するという曖昧な国際合意である。
53カ国・機関が加盟する同条約は、世界で最も訴訟の対象となりやすい投資取引とみられている。
欧州委員会の提案により同条約の近代化に向けた改革が進められたが、すでに一方的に脱退の意向を表明していたドイツ、フランス、スペイン、オランダの反対によって、2022年11月末に失敗に終わっている。それを受けて、今回の方針転換となった。
欧州委員会執行部は、脱退ではなく改正後のECTに残るべきだと加盟国に対し数ヶ月にわたって訴えてきたが、高まる反対の声についに降参した形だ。
欧州委員会の広報担当者は、Euronewsの取材に次のように回答した。「加盟国から委託された交渉権に基づいてエネルギー憲章条約の近代化に向けた交渉を進めた欧州委員会の動きは成功したが、欧州理事会で近代化条約の採択に向けた特定多数の支持を得ることはできなかった」[...]