英国:ナイジェリアのコミュニティが主要控訴審で勝利し、シェルに対する石油流出訴訟が全面審理へ
[Oil Spillage: Two Nigerian communities secure major legal victory against Shell in UK] 2024年10月13日
[非公式英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]
リバーズ州のビレとオガレの両コミュニティが提訴していた訴訟は、控訴院の判決により全面審理に進む道が開かれた。
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両コミュニティは、[...] 石油流出が引き起こした数十年にわたる環境破壊に対してシェルの責任を問うため、2015年に英国高等法院で訴訟を開始した。
金曜日に提出された控訴院の判決は、3月に英国高等法院が下した原告側にとって打破不可能な法的障壁を生み出すことになる物議を醸す判決を覆すものであったとリー・デイ法律事務所は述べている。同法律事務所は、英国政府や大企業と同様に個人の司法アクセスを保証するために原告単独訴訟に尽力している。
1万3,000人を超えるビレとオガレの住民はシェルが広範囲に汚染を引き起こし、シェルのインフラによる度重なる石油流出が、彼らの土地、水路、飲料水を汚染したと主張した。
これらの流出により、土地は不毛に陥り、魚の数は激減し、彼らの主な収入源である農業や漁業を営むことが不可能になったと彼らは訴えた。
控訴院は、特定の被害地域を個々の石油流出と関連付けることが出来ないという理由で、原告らの訴えを「グローバル・クレーム」として扱う前判決を棄却した。グローバル・クレームとは、主に建設紛争で使用される法的措置の一種である。
グローバル・クレームの適用下では、ビルとオゲールの両コミュニティは、彼らの環境に影響を及ぼした汚染の100%がシェルの責任であることを証明する必要があったとリー・デイ法律事務所は指摘する。
仮にこの判決が支持されていたなら、環境汚染に関する申し立てにおいて大きな障害となっていただろう。なぜなら、申し立て人は繰り返される汚染の全てにおいて、同一の汚染元に責任があると立証しなければならないからである。
控訴院は、判決を覆したことで、シェルの重要内部文書の開示が必要となるであろう全面審理に進展する道を切り開いた。