ビジネスにおける人権に対する効果的な規制は、世界中の労働者とそのコミュニティをより適切に保護するために不可欠です。国連はそのための主導的役割を果たしており、2011年に発表された画期的な「ビジネスと人権に関する国連指導原則（UNGPs）」は、国や企業が事業活動において行われる人権侵害を予防し、対処し、救済するためのガイドラインです。UNGPsの実施を支援するため、国連人権理事会は「人権及び多国籍企業並びにその他の企業の問題に関する作業部会」、通称「ビジネスと人権作業部会」を設置しました。 作業部会は5人の独立した専門家で構成され、3年間の任期です。作業部会の任務は2014年、2017年、2020年に更新されています。

2014年には、国連人権理事会が多国籍企業やその他のビジネス企業の活動を規制するための国際的に法的拘束力のある条約の作成に踏み切りました。エクアドル政府が議長を務めるオープンエンド政府間ワーキンググループ（IGWG）が設置され、直近では2022年10月に条約の第3次改訂草案を議論するために集まりました。

UNGPsの下、企業は人権デューディリジェンスを実施する責任を負っています。フランスの注意義務法、2021年のドイツとノルウェーの新法採択からEUの企業持続可能性デューディリジェンス指令に至るまで、世界各国の政府、特に欧州で、企業に人権と環境のデューディリジェンスを義務付ける機運が高まっています。主要な投資家や企業も、このような法規制を支持する声を上げています。