世界経済は、複雑な貿易・投資協定の網の目によって結ばれています。二国間協定から多国間の広域自由貿易協定、そして世界貿易機関(WTO)まで、その規模は多岐にわたります。
かつて貿易協定は、関税を撤廃し、企業の市場アクセスを拡大することだけを目的としていました。しかし、近年合意された貿易協定には、グローバル企業の投資、利益、知的財産権を保護するための広範なルールが含まれています。こうしたルールは、各国政府が自国の人々や環境にとって有益と思われる基準や法律を導入する自由に、しばしば深刻な影響を与えています。
世界貿易の80%は多国籍企業のバリューチェーンの中で行われており、これらの企業は貿易ルールに大きな影響力を及ぼしています。現在の経済システムは、低賃金と不安定な労働による搾取に依存しています。この経済システムは、政府、労働者、コミュニティの利益ではなく、企業の手に権力を与えることで、世界掲載の規制緩和と自由化を支持する貿易協定によって(部分的にせよ)生み出されたと言えるでしょう。
このページでは、貿易協定と企業の力の重なりについて考察し、貿易協定をどのように設計すれば公共の利益に最も貢献し、人権の実現を支援できるかを問う資料や視点を紹介します。これは、世界貿易における最大の問題のいくつかをカバーしています。
- 貿易協定におけるISDS条項が、企業に対する人権義務の強化や人権侵害に対する責任追及の取り組みを阻害する可能性
- エネルギー憲章条約:50カ国以上が署名した国際協定が、気候危機への取り組みに大きな障害となっている
他の団体のウェブサイトでさらに調べる
トレード・ジャスティス・ムーブメント(Trade Justice Movement)
人々と地球によい影響を与える貿易ルールを求めて活動する英国の市民社会連合
トランスナショナル・インスティテュート(Transnational Institute)
公正で民主的、かつ持続可能な世界を推進する国際的な非営利の研究・提言シンクタンク
国際労働組合総連合(International Trade Union Confederation)
世界の労働者の声をグローバルに発信する団体
フォーカス・オン・ザ・グローバル・サウス(Focus on the Global South)
公正な社会、経済、政治的変化のための分析と代替案の構築を行うアジアの活動家シンクタンク
シアトル・トゥ・ブリュッセル・ネットワーク(Seattle to Brussels Network)
企業主導の欧州政府の貿易政策に異議を唱える組織ネットワーク
サードワールド・ネットワーク(Third World Network)
世界貿易機関(WTO)、開発、南北問題に関連する問題を扱う独立非営利の国際研究・提言団体