私たちは、立派な車やアクセサリー、便利な機器が大好きです。私もスマートフォンを持っています。こうした製品には、私たちの国で採れる鉱物資源が使われています。多くの場合、幼い子どものほか、脅迫や性的暴行を受けた被害者が非人道的な労働環境で採掘にあたっています。電気自動車を運転するとき、スマートフォンを使うとき、アクセサリーに心を躍らせるとき、それらを作るために関わった人々が払わされた犠牲を想像してみてください。消費者として私たちは、こうした商品を作る際に人間の尊厳が尊重される必要があることを最低限訴えていかなければなりません。デニス・ムクウェゲ医師のノーベル平和賞受賞スピーチより
石油や天然ガス、鉱物は、そうした資源を豊富に有する国に多大な利益をもたらすと同時に、開発や経済成長を加速させる力となる可能性を秘めています。しかし、同部門の企業は、長きにわたり深刻な人権侵害への関与を疑われています。リソースセンターは、過去15年にわたり、同部門の1000件を超える人権侵害の申し立てについて追跡調査を行ってきました。その中で、コミュニティの強制退去、土地や水、住居への影響、環境汚染、表現の自由や結社の自由の弾圧、児童労働、人権擁護者を標的にした殺害や暴行などが確認されています。そうしたこれまでの記録を踏まえて、一部の企業と業界団体は、自社の事業やサプライチェーンにおける人権侵害に対処するため、優れた慣行やマルチステークホルダーによる取り組みを実践しています。
こちらのセクションでは、採掘業界が人権に及ぼす影響と、企業の人権慣行を改善するための業界独自の取り組みについて調べています。
こちらのページでは、以下の内容をまとめています:
- 採掘産業および石油、天然ガス、石炭産業による新型コロナウイルスの世界的パンデミックへの対応
- 太平洋地域の採掘事業に関連する最新ニュースや事例研究、調査結果などをまとめたPacific Business & Human Rights(太平洋地域のビジネスと人権)ポータルサイト
- ビジネスと人権リソースセンターによるTransition Minerals Tracker(鉱物資源の追跡調査)
- ビジネスと人権リソースセンターによるUgandan Oil Industry Mapping(ウガンダ石油産業のマッピング)
- ビジネスと人権リソースセンターによるアフリカ南部の採掘事業に出資する銀行・投資企業の分析
- 企業人権ベンチマーク(CHRB)による採掘企業世界大手のランキング評価
- 国際金属・鉱業評議会などの業界の取り組み
- 採取産業透明性イニシアティブの最新動向
特集
鉱物資源の追跡調査
低炭素経済への移行を後押しする鉱物資源の好況が人権に及ぼす影響の追跡調査
ウガンダの石油産業関連企業のマッピング
ウガンダの石油産業関連企業のオンラインハブ・マッピング。石油生産を事業とする上流の企業から、その事業を支える建設会社、出資している銀行なども含まれます。農村開発のためのブリサ・イニシアティブ(Buliisa Initiative for Rural Development Organisation, BIRUDO)との協働
アフリカ南部の採掘事業への出資
アフリカ南部の採掘事業に出資する銀行、投資企業、採掘企業の投資担当部門30社の人権コミットメントと人権尊重の取り組みに関する調査
太平洋地域のビジネスと人権
報告が不十分なビジネスと人権に関する問題、人権侵害の申し立てや現地の