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記事

2023年4月17日

著者:
Mekong Watch,
著者:
FoE Japan,
著者:
Justice For Myanmar

ミャンマー:NGO、ENEOSが責任ある撤退の義務を説明していないと指摘

[ イェタグン・ガス田からの撤退について、ENEOSホールディングスを含む事業関係者は説明責任を果たすべき ] 2023年4月17日

ENEOSホールディングス(以下「ENEOS」)は4月13日、ミャンマーのイェタグン・ガス田事業からの撤退が同国「政府」(「同国政府」との記述だが、非合法軍事政権を指している)によって4月12日に承認されたと発表しました。

ENEOSの今回のニュースリリースにおける情報量は少なく、同社が述べたのは「本件による連結業績への影響は軽微と見込んでおります」に留まり、国連ビジネスと人権に関する指導原則やOECDガイドラインに則った責任ある撤退を行なう場合にどのような責任が同社に生じ、それについてどうするのか、全く説明がありませんでした。

イェタグン・ガス田事業のオペレーターを務めてきたのはマレーシア企業のペトロナス社で、その共同事業者はタイのPTTEPとミャンマー石油ガス公社(MOGE)のほか、ENEOSの連結子会社であるJX石油開発が日本政府と三菱商事とともに出資しているJXミャンマー石油開発でした。

ペトロナス社は撤退を2022年に発表したものの、撤退の現状や、ミャンマーから責任ある撤退を行なうためにどのような手段を取ったのかについて発表をしていません。

昨年そして今年、メコン・ウォッチ、国際環境 NGO FoE Japan、Justice For Myanmar (JFM)は、ENEOSほかイェタグン・ガス田の事業パートナーに対し、透明性を確保し、現地のコミュニティや市民社会のステークホルダーとの協議を行なった上で責任ある撤退を行なうよう強く求めてきました。しかし、私たちの要求は無視されてしまいました。

ENEOSと国際事業パートナーは、撤退の際、イェタグン・ガス田事業の収益がミャンマー国軍に入らないようにするための手立てを取ることができなかったようです。また、近い将来枯渇が予想されるこのガス田について、閉鎖に向けた適切な処置も取らなかったようです。ミャンマー非合法軍政の支配下では、MOGEが環境に配慮したガス田閉鎖を行うか信用できません。

JFMが入手した情報によれば、イェタグン・ガス田事業はタイに拠点を置くノーザン・ガルフ・ペトロリアムのグループ企業であるガルフ・ペトロリアム・ミャンマー(GPM: Gulf Petroleum Myanmar)が引き継ぐようです。GPMのウェブサイトの2022年6月28日時点(現在は削除されている)の情報では、ノーザン・ガルフ・ペトロリアムは租税回避地であるバミューダにある複数のペーパーカンパニーによって組織され、シンガポールに持ち株会社があり、これは秘密管轄を使った企業構造で、軍政への支払を手助けする可能性があります。このような企業が後継に選ばれていることは、撤退に際し、ENEOSと日本政府、三菱商事が負の環境社会影響を特定、防止、軽減し、そして救済するための十分な手段を講じなかったことを示しています。

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